故郷を出て目的に行き付けぬまま彷徨し続ける「旅人」と、その人生を描く。李祭夏の同名小説の映画化で、制作・監督・脚本は「外人球団」の李長鎬が担当。出演は金明坤、李甫姫ほか。
ストーリー
年末の寒いある日、下級公務員のスンソク(金明坤)は、押入れの片隅に三年前に交通事故で死んだ妻(李甫姫)の遺骨を見つけ、朝鮮戦争の戦災孤児という妻の故郷を捜すという、行方のない旅に出る決意を抱く。バスを乗り継ぎ、やがて海の景色に心動かされた彼はムルチという村に降り立ち、そこで登山客、不意に死んでしまう酌婦、重病の身でひたすら北の故郷に帰ることを願う老人、そしてその世話をする看護婦(李甫姫=二役)という様々な人々に出会うが、彼は妻の遺骨をどこに葬ることもできず、老人も彼を追う者たちによってソウルに連れ戻される。やがていくつもの死の影が交錯するスンソクは、ある日看護婦から彼が彼女の前世の夫であると打ち明けられる。そして一時は心が通いあい、明日への希望を夢みる看護婦とスンソクであったが、運命の力は残酷なまでに二人を別離へと押し流してゆくのだった。
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