ヤロミール・ハンスリーク
Ruda
ドイツ占領下のチェコスロヴァキアに展開される、反独運動とソ連軍の活躍を描いた作品。監督はエオ・ノローク、原作・脚本はヤン・プロハースカ、撮影はワースロウ・ハヌーシャ、音楽はズデニェク・リシュカがそれぞれ担当。出演はヤロミール・ハンスリーク、ヤナ・ブレイホヴァ、ウラジミール・メンシーク、カレル・ホーガー、フランティシャーク・ベレッキーなど。
一九四五年五月五日の朝、ドイツ占領軍に対するチェコの最初の反抗は、プラハ刑務所の看守によってなされた。そして、その時解放された囚人の中に、十九歳になるルダ(J・ハンスリーク)も混っていた。彼は仲間に立派なアパートに連れて行かれ、そこで女中のカルラ(J・ブレイコーバ)と出会った。彼女は十八歳だった。その日彼女は、故郷の父親のため、セメントを駅にはこぼうとしていた。そこで、ルダは彼女に手をかして駅に行ったが、レジスタンス騒ぎで、汽車は走っていなかった。その頃、ルダの兄ヤルダ(V・メンシーク)は、ソ連軍に加わっていたが、北からプラハに向って進撃中に運転していたトラックを故障させてしまったために、一兵卒に降等させられてしまった。しかし、運よく彼は、進軍中の近隣の地理を、知っていたために、現在はリバルコ将軍(K・ホーガー)率いる戦車隊の先導を命じられていた。駅を離れたルダとカルラは、行き場所も見つからぬまま、再びアパートへ引返した。若い二人はその晩、愛の誓いを交し、結婚の約束をした。ささやかな幸せに満ちた夜が明けた。ルダはその時、カルラの主人が秘蔵していた猟銃を手に入れたが、その銃でドイツ兵を射殺してしまった。その為ルダとカルラはドイツ兵に追いつめられ、アパートの屋上で、彼等の冷酷な銃弾に若い生命を奪われた。リバルコ将軍のプラハ解放に歓喜する市民の声も、二人の耳にはもはやとどかない。ようやく来たプラハの自由の季節の中で、二人は死んだ。
Ruda
Karla
Jerda
General Rybalko
Lieut. Kovrigin
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