クリストファー・ジョーンズ
Johnny
つかの間の季節に激しく燃え上がった青春のひとときを描いた作品。製作は「バーバレラ」のディノ・デ・ラウレンティス、監督を「ロミオとジュリエット(1954)」のレナート・カステラーニ、脚本はカステラーニとアドリアーノ・バラッコ、撮影はトニ・セッチ、音楽をマカロニ・ウエスタンの作曲で著名なエンニオ・モリコーネ。出演は「鏡の国の戦争」で共演したクリストファー・ジョーンズとピア・デゲルマルク。
“急がなければ”“またあの人に何か起きたんだわ”ジョニー(C・ジョーンズ)からの電話でルイサ(P・デゲルマルク)はお金を持って家を飛び出した--あの時、彼は警察に逮捕されたのだ。私の目の前でルイサ、ルイサ!と叫びながら--私達は暗くなるまで映画を見ていた。彼はおどおどし、興奮して何も話さない。夜になりホテルへ行った。ここは前に来たことがある--ローマのTVスタジオで初めて会ったときから私たちはすぐ愛を感じたのだ。彼は証券会社の社員。私は国連のタイピスト。その足でこのホテルまで来てしまった。私は初めてだったので気遅れし、彼をがっかりさせたのだけど、彼は優しくいたわってくれた。そして結婚を誓い合ったのもこホテルだった--ジョニーは護送中警官を射殺して逃げて来たのだった。預った証券を無断で操作し、それがバレたのだ。私と一緒に住む家が欲しいために……私たちは逃げることにした。雨の中を郊外へ、想い出の森へと。ジョニーは不安に震え幾度も後ろを振返る。翌朝、目が覚めると雨は上がっていた。誰もいない二人だけの晩秋。以前来た時は青葉の頃だった。幸せだったあの頃。でも、つかの間かも知れないけれど、今だって楽しいわ、森を抜け、丘を下り、警察の目を逃れて私たちは小さなホテルに隠れた。シーズンオフで客はいない。全てを忘れて、夜明けまで踊り、シャンペンを飲み、厚い絨毯の上で愛を交し合った。楽しかった一週間。二人のハネムーンだった。けれど、ホテルを引き払うことを決めた朝、二人の警官が聞き込みにやって来た。ジョニーはまだ気がつかない。ああ、私たちに気付いたらしい。こんな素晴らしい朝なのに。私はハンドバッグからピストルを取り出し、ジョニーを射った。愛するジョニーさようなら、すぐ私も続くわ……。
監督、脚本
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
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