ルー・エイヤース
Larry_Wayne
「楽園の大河」「新聞街の殺人」のルー・エイヤースが主演する映画で原作は「フーピー」「女に賭けるな」と同じくウィリアム・アンソニー・マクガイアの筆になるストーリー、それをスコット・ペンブロークが映画劇に脚色し、「ハア・マン」「怪盗団」のテイ・ガーネットが監督にあたり、「禁酒天国」「怪盗団」のアーサー・ミラーが撮影を受け持った。助演者は「愉快な武士道」「摩天楼の悲劇」のモーリーン・オサイヴァン、「シンガポール航路」「腕の男」のルイス・カルハーン、「春宵綺談」のウォルター・カトレット、「餓鬼娘」のアラン・ダインハート・、エドワード・アーノルド、フレデリック・バートン等である。
ニューヨークプレード新聞の記者でゴシップ欄と放送局係りを受け持っているラリー・ウェインは若手ながらキビキビした腕の持ち主で、いつも意外な方面から興味ふかい材料をさがし出してきては読者や聴取者を喜ばせているので評判がよかった。しかしそれだけに彼の人気を嫉む者も社内に多く、編集長のジョーンズなどはその旗頭であった。当時大統領の親友で、且つ時の政府の閣員の一人であったドレーク氏の令嬢ルス行方不明事件というのが問題となっていた。令嬢はあきらかにギャング団の一味のために拐かされたものに相違なかったが数十日を経る今日いまだに何等の手がかりもなかった。編集長はラリーを困らせるためにこの事件の調査を命じた。さすがに腕自慢の彼もこれには当惑した。ところがある時ゴシップの材料をさがしにナイト・クラブやピークイージーを歩いている時ラリーはかねて知り合いのジョー・モートンに会った。このジョーというのはその昔鳴らした新聞記者であるが今は尾羽打ち枯らして見る影もなく、ラリーが時々金などを恵んでやっている老人であるが、老人はこの時ラリーに耳寄りな話をした。それは行方不明となったルス・ドレークとギャングスターのロッソとの間に何かのつながりがあるということである。聞き捨てならずとばかり欣喜雀躍したラリーは早速そのロッソに面会した。話をする内、ラリーが勘づいたと知ったロッソは彼を殺そうとするが、やがて思い直してラリーを逆に利用し、ルスの親から身代金をとろうと考えた。ラリーは常日頃から口が堅く約束は立派に守る男だったので警察へ密告せぬという条件が容れられて解放された。新聞社へ帰るやラリーはまずルス発見さるという記事を書き上げ、ドレークを訪れた。ドレークは十万ドルを彼に託した。しかるにその身代金と引換えに約束の場所へ行ってみると一味はすでに居らず、ルスももちろん見えなかった。社へ戻ったラリーは記事を読んで押し寄せた群集に自分の失敗を告げた。それはたちまち彼を賞賛から侮辱の底につき落とした。間もなくラリーは再び迎えをうけてロッソの隠れ家へ赴いたがルスを渡さなかった理由は彼の親分アルソットの考えによるものを知れた。アルソットはルスの父親ドレークと大統領が親友関係なのを幸いルスを使って近日中に迫る自分の判決に有利な提言をして貰おうとしたのである。そしてこの条件がまたアランに託されて大統領に提出されたが公私を混同せぬと大統領は肯じなかった。だがアランはルスを助け出すために生まれて初めての嘘をつき、大統領が承諾したと称してギャングを喜ばせた。ルスが帰邸したことを知るやアランは真実を語り、悪の巨魁アルソットを射殺した。かくてアランは社会のためにその最大の禍根を除いたが数刻ならずしてまたギャング残党のために放送室で不慮の死を遂げるに至った。ラリーの秘書バートンは彼の死を心から悼んだのである。
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