ヘルムート・バーガー
Dorian Gray
十九世紀が生んだ代表的な「世紀末作家」オスカー・ワイルドの同名小説を現代におきかえての映画化。製作はハリー・アラン・タワーズ、監督はマッシモ・ダラマーノ、脚本はマルチェロ・コシアとダラマーノ、撮影はオッテロ・スピラ、音楽はクリスチャン・シュヴァリエ、ペッピノ・デ・ルーカ、カルロ・ペス、編集はニコラス・ウェントワースが各々担当。出演はヘルムート・バーガー、マリー・リシュダール、マーガレット・リー、エレオノーラ・ロッシ・ドラゴなど。
初夏のロンドン。都心を離れた閑静な画室で、ドリアン・グレイ(H・バーガー)の肖像画が殆んど完成されていた。近頃売だしの画家バジル(R・トッド)は、この絵に異常なまでの創作欲を燃やした。それはドリアンの美貌のためだった。画商のヘンリー(H・ロム)はバジルの最高傑作だと激賞し肖像画を買いとってドリアンに贈った。ドリアンは、絵が永遠の若さを誇り、自分が老いて美しさを失ってゆくことに耐えられない気持だった。もし、それが逆だったら。肖像画が年をとり生身の彼が永遠の若さを保つことができたら……。そんなある日、下町の三流劇場で美しい娘シビル(M・リシュダール)と知り合い、いつしか愛し合うようになった。しかし、社交界にデビューした彼の人気に嫉妬し、苦しむ中でシビルは交通事故にあい死んでしまう。十数年の時が流れた。ドリアンの若さは昔のままで、周囲の人間たちは正確に老いていった。ドリアンの肉体は荒淫と麻薬と背徳にもいささかの衰えもみせず、学友のアランの新妻アリス(M・ロム)も彼の魅力の前にはもろかった。一方、肖像画のドリアンは益々醜く変貌し、彼に苦痛をあたえた。その苦痛がバジルへの憎悪に転嫁し、彼を刺してしまう。そして死体の後始末を学友のアランに押しつけ、拒否する彼に、アリスと同衾した写真をつきつける。ドリアンは肖像画を破り捨てる決心をした。彼がふりかざしたナイフは自分の胸を貫いた。その瞬間肖像画は再生し、元の美しい青年に戻り、その前に、夜会服姿のしわだらけの老人が死んでいた。
Dorian Gray
Sybil
Gwendolyn
Esther
Basil
Henry
Alice
監督、脚本
脚本
原作
製作
撮影
音楽
音楽
音楽
編集
字幕監修
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