フランキー・ハワード
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イギリスで十二本も製作されて人気のある“Carry on”シリーズ。製作はピーター・ロジャース、監督はジェラルド・トーマス、脚本はタルボット・ロスウェル、撮影はアラン・ヒュームが各々担当。出演はフランキー・ハワード、シドニー・ジェームズ、ケネス・ウィリアムズ、チャールス・ホートレイ、ジム・デールなど。
実際、ビガー氏(F・ハワード)にとって一生の不覚といってよかった。氏は「医者の世話にならず生きる会」の会長で、今日も中年の婦人たちを前に一席ぶったわけだが、そのあとがよくなかった。階段をふみはずして、腰をしたたか打ってしまったのだ。もちろん主義に反することだが救急車で病院に運ばれ、その上もっともきらいな看護婦にパンツまでぬがされてしまう……。さてこの病院はドクター・ティンクル(K・ウィリアムス)のもと、若い正義感のドクター・キルモア(J・デール)、その恋人の看護婦クラーク(A・ハリス)、セクシー・ダイナマイト、サンドラ(バーバラ・ウィンザー)ら数人の看護婦がおり、入院患者も変人ばかりだった。病気が直っても一向に退院しようとしないチャーリー、療養中、隣室の女性患者に恋してしまったケン(B・ブレスロウ)、妊娠した妻のつわりがうつり、大ぜいの妊婦たちといっしょのミスター・バロン(C・ホートレイ)等々。その頃、病院には事件がもちあがっていた。サンドラとすれば、他意はなく純美容上の理由で屋上で日光浴を始めた。ところがあわてもののキルモア先生、彼女がティンクルにふられたために自殺しようとしているのだと感違い、屋根にはい上がる。それをまたサンドラは、彼が自分のビキニに目がくらんで迫ってきたのだとゴカイし、悲鳴をあげる。一方、キルモア先生、よじのぼったものの動きがとれず、「わたしの足につかまって」と跡を追ってきたクラークのスカートを掴んだから大変、下半身まるだしのあられもない姿……ティンクルはこの事件を最大限に利用した。彼は日頃自分より人気絶大のキルモアが憎くてたまらない。サンドラとのゴシップを看護婦長に隠し通し、キルモア追放に成功した。見返りに婦長はティンクルに抱いてもらう。ところが、その陰謀を知った良識派の「全患者連」が動きだした。彼らはティンクルと看護婦長の現場を押さえ、やがて病院理事長もコトの真相に気づいた。キルモアは復識、しかもティンクルと入れ変わってしまう。今やヒラになり下ったティンクル、キルモアの前でケンメイにゴマをする。
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Roper
Doctor Tinkle
Mr. Barron
Doctor Kilmore
Sandra
[c]キネマ旬報社