クローディーヌ・オージェ
Nathalie
地方の名士の夫人と青年の愛を描いたフランソワーズ・サガンの『冷たい水の中の小さな太陽』(原題)の映画化。製作はジェラール・ベイトー、監督はジャック・ドレー、脚本は、ドレー、ジャン・クロード・カリエール、エンニオ・フライアーノ、台詞はジャン・クロード・カリエール、撮影はジャン・バダル、音楽はミシェル・ルグランが各々担当。出演はクローディーヌ・オージェ、マルク・ポレル、ジュディット・マーグル、アンドレ・ファルコン、ベルナール・フレッソン、バーバラ・バックなど。
パリのある通信社に勤務するジル(M・ポレル)は、三十代はじめの独身青年で、有能なジャーナリストとして将来を嘱望されていたが、ここ数ヵ月というものは、仕事に加え、同棲しているエロイーズ(B・バック)とのゴタゴタで精神的にかなりいきづまっていた。親友のジャン(B・フレッソン)はそんな彼を心配して、しばらく静養するよう勧めた。ジルは親友の勧めに従い、南フランスの美しい都会リモージュへ帰った。ここには姉オディール(J・マグレ)が夫フロランと共に住んでいた。この都会の清浄な空気や温和な人心は彼を間違いなく甦えらせるはずだった。ある日、この地方の名士シルヴネール家で催されたパーティに姉夫婦と招かれたジルは、そこでナタリー(C・オージェ)に紹介され、その美しさに心を奪われた。その翌日、思いがけなく姉夫婦の家を訪ねてきたナタリーは、ジルを明日、陶器博物館へ案内することを約束する。その帰り道、二人は小さなホテルでごく自然に結ばれた。別れ際、彼女は自分がシルヴネール夫人であることを告げた。ナタリーは、ジルを見た瞬間から愛していたのである。短い休暇の間、二人は近くの草原や林を散歩し、愛を確かめあった。やがて休暇を終えてパリに帰ったジルが、エロイーズにありのままを伝えると、彼女は全てを察してアパートをでていった。そして夏が終る頃ナタリーは夫のもとを去ってパリにでてきた。二人のパリ生活は楽しかった。ジルは見違えるように精気をとり戻し、ナタリーはショッピングや読書、パーティに楽しげだった。しかし、ジルは、彼女の前に現われた図々しいアメリカ人や彼女の弟の出現によって、愛の苦しさをも味わうようになり、そんな苦しい心境を告白した。「彼女はぼくに全てを与えてくれた、と同時に全てを奪った」。それを耳にしたナタリーは、絶望のあまり、アパートを飛びだした。その夜、苦い自責の念で電話を待つ彼に、ある救急病院から電話が入った。彼女が睡眠薬自殺を図り、病院にかつぎこまれたというのだ。医師から、命の保証はできないといわれ、茫然として病院の扉を開けた。
Nathalie
Gilles
Odiles
Florent
Jean
Eloise
監督、脚本
脚本、台詞
脚本
原作
製作
撮影
音楽
字幕監修
[c]キネマ旬報社