ルネ・シマール
Rene
一九七四年六月に開催された第三回東京音楽祭でグランプリとフランク・シナトラ賞を獲得した十三歳の少年ルネ・シマールの足跡を追ったドキュメンタリー。監督はデニス・エロー、製作はナルド・カスティロ、原案はピエール・デイヴィッド、撮影はクロード・レジュールが各各担当。出演はルネ・シマール、レジス・シマールなど。
氷の張った道端で、一つ年上の兄レジスとアイスホッケー遊びをするルネ。七人兄妹の三男坊で、木材工場で働くパパや優しいママに囲まれて、裕福ではないけれど楽しい毎日を送っている。ルネは六一年二月二八日カナダのケベック州に生まれた。パパもママも敬虔なカトリック信者で、歌のうまいルネは七歳のときから聖歌隊に入っていた。その頃、パパが病気になり、一家は小さなアパートに移って姉たちも働きだし、ルネもレジスと一緒に街の小さな酒場をまわって歌い、少ないけれどお金を集めることもできた。そして、そのときルネは歌手になることを決心した。大好きな歌を歌って、みんなに楽しんでもらって、それでお金を稼げるのなら……そうしたらパパとママに新しい素敵な家を建ててあげることができるかもしれない。ルネはさっそくケベック市のアマチュア歌手コンテストに応募し、見事優勝。小さな夢に向かってスタートした。