フィリス・カルヴァート
Lydia
「四重奏」のアントニー・ダーンボロウが製作し、「激情」のアンソニー・アスキスが監督した航空映画一九五三年作品。脚本は「文化果つるところ」のウィリアム・E・C・フェアチャイルドのオリジナル。撮影は「ハムレット(1947)」のデスモンド・ディキンソン、作曲は「極楽ホテル」のベンジャミン・フランケル、演奏指揮は「オリヴァ・ツイスト」のミュア・マシースンが担当。主演は「激情」のフィリス・カルヴァート、「舞姫夫人」のジェームズ・ドナルド、「艦長ホレーショ」のロバート・ビーティ、「絶壁の彼方に」のハーバート・ロムで、ミュリエル・パヴロウ(「間諜M1号」)、ウォルター・フィッツジェラルド(「宝島」)、モーリス・デナム(「青い珊瑚礁」)らが助演する。
英国空軍基地ポート・アンバリイの秘密研究室では最新説機M7号の完成が急がれていた。その発明者ヒースレイ(ジェームズ・ドナルド)は、機密保持のため愛妻リディア(フィリス・カルヴァート)さえも遠ざけており、研究員の一人アレックス(ハーバート・ロム)は、淋しい気持を抱くリディアに同情と秘かな愛情をよせていた。研究に夢中のヒースレイは所長の反対をおしきって危険な試験飛行を行わせ、そのため指揮官が惨事で一命を失った。所長はヒースレイに試験飛行を禁止した。その頃ヒースレイはリディアとアレックスのスキャンダルを耳にしたが、アレックスの口からリディアが誠実な妻であることを確めた。一方、研究室付の医師ボードはM7号の国外拉致を企んでいた。彼は某国スパイの手先で、先の試験飛行の失敗も実は彼の仕業だった。ボードは高空の人体に及ぼす影響を調べるという医学上の理由で、ヒースレイに試験飛行に同案させてくれと要求した。ボードの執拗な要求を容れたヒースレイは彼を同乗させて試験飛行を敢行した。機が成層圏に達するや、ボードは拳銃をヒースレイにつきつけ、M7号を他国へ誘導しようと図った。ヒースレイはこの脅迫に敢然と対抗し、二人の言い争う声は電波に乗って基地に伝わっていた。所長はじめ全員はヒースレイ救助に万全を期した。M7号内は徐々に空気が稀薄となり、二人とも呼吸困難になった。その時ヒースレイは妻の励ます声を聞いて意識をとりもどし、ボードは落した拳銃を拾おうとして酸素吸入管が切れ、絶命した。ヒースレイはM7号の性能を再確認するとともに、成層圏飛行の最高記録を樹立した。基地でM7号の帰還を待ちわびるリディアの顔には喜色があふれていた。
Lydia
Heathley
Sam Seagram
Alex Leon
Caroline Cartier
Dennis Bord
Sir Charles Cruddock
Brian Jackson
Carrington
Mama
Ferguson
Inspector Carter
George Jackson
監督
脚本
製作
撮影
美術
編集
録音
録音
作曲
空中撮影
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