ロベール・オッセン
Rene Brunel
ドストエフスキーの「罪と罰」を「幸福への招待」のシャルル・スパークが、全く現代風に置きかえた脚本にし、「二百万人還る」のジョルジュ・ランパンが監督した文芸篇。撮影監督は「河」のクロード・ルノワール、音楽は「われら巴里ッ子」のモーリス・ティリエ。主な出演者は「不良の掟」の監督で俳優出身のロベール・オッセンと「野性の誘惑」のマリナ・ヴラディの夫妻を中心に「ヘッドライト」のジャン・ギャバン、「夏の夜は三たび微笑む」のウラ・ヤコブソン、「洪水の前」のベルナール・ブリエ、「快楽」のガビ・モルレ、昨年来日、東宝「裸足の青春」に出演したローラン・ルザッフルなど。
貧しい法律学生ルネ(ロベール・オッセン)は、強欲な質屋の老婆を殺した。彼女の存在は社会にとって害毒だと思ったからである。彼の妹ニコル(ウラ・ヤコブソン)は、初老の醜い金持モネスチエ(ベルナール・ブリエ)と婚約し、金をもらって兄の生活を救おうとする。しかし彼は、これを汚れた金だといって受取らず、不慮の死をとげたアルコール中毒者の一家に与えてしまった。そこで、この家の娘で春をひさぐリリイ(マリナ・ヴラディ)を知った。一方警察は老婆殺しの容疑者としてペンキ塗職人アンドレ(ローラン・ルザッフル)を逮捕し、彼は刑事の強引な尋問によって、自分が殺したと自白してしまった。しかし警部のガレ(ジャン・ギャバン)は、ルネを真犯人だとにらみ、彼の良心に訴える。またモネスチエは、ルネの犯罪証拠をつかみ、これを種にニコルとの結婚を承諾させようとするが、ニコルが最後まで兄をかばうので、希望を失い自殺した。リリイはルネに、どんなに逃れても罪の意識からは逃れられない。神にのみすがって自首してくれとすすめる。はじめは自らの正義を主張したルネも、リリイへの愛と次第に大きくなる良心の責苦から、遂に母やリリイと別れて、ガレ警部のもとへ自首して出るのだった。
Rene Brunel
Commissar Gallet
Lili
Nicole
Antoine Monestier
Brunel's Mother
Therese Marcellin
Pierre Marcellin
Andre Painter
監督
脚本
原作
製作
撮影
撮影
音楽
[c]キネマ旬報社