ピカソ・天才の秘密
ピカソ・天才の秘密
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ピカソ・天才の秘密

1957年5月25日公開、ドキュメンタリー/アート
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「悪魔のような女」のアンリ・ジョルジュ・クルーゾーが十数年来親交の間柄であるピカソの登場をあおぎ製作・監督した美術映画。しかし、これまでの美術解説映画、記録映画の概念から全くはなれ、クルーゾーは独創的な画家の純粋美術映画制作の野心をスクリーンに結実させている。撮影は「罪と罰(1956)」のクロード・ルノワール、音楽は「ノートルダムのせむし男」のジョルジュ・オーリック。使用音楽にはスペインの舞曲(フラメンコ・ギターとカンテ・フラメンコ)を含んでいる。日本語版解説は俳優座の永井智雄。五六年カンヌ映画祭で審査委員会特別賞を受賞している。一部分シネマスコープ版でイーストマンカラー、一九五六年作品。別邦題「ミステリアス・ピカソ 天才の秘密」。

ストーリー

映画は次のような解説から始まる。--ランボーが「酔いどれ船」を書いていた時、モーツァルトが「ジュピター」交響曲を作曲していた時、彼ら詩人や作曲家の頭の中にどのような考えが、刻一刻起っていたか、それを知ることは殆んど不可能です。しかし、詩や音楽で不可能なことも、絵画の場合にはその秘密をのぞき見ることができます。画家の頭の中に起ることは、描いている画家の筆を追って行けばわかります。画家は奇妙な冒険をするものです。それは綱渡りのようなもので、一つの曲線が画家を右に引張り、一つの点が彼を左に引張って行きます。もしも均衡を失えば、すべてはおしまいです。画家は白いカンヴァスという闇の中を、手探りしながら前進します。そこに少しずつ光が現れてきます。つまり画家は暗闇の中をまさぐりながら、光を創り出して行くのです。--こうしてスペインの天才画家ピカソの頭の中のメカニズムの秘密は、マジック・インキで描かれた絵を通して解明されて行く。例えば金魚が描かれる。これに手が加えられ雉となる。さらに手を加えて、今度は大きな黒猫となるといった工合にデッサンから次々と変って、ピカソ一流の制作が紹介される。画面にはピカソと談笑するクルーゾオも現われる。最後に壁画「ガループの海岸」が描かれる。泳ぐ人、水上スキーヤー、喜びに踊る一組の男女。途中で挫折し、再び描き直して壁画は完成、「天才の秘密」は終る。

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作品データ

原題
Le Mystere Picasso
製作年
1956年
製作国
フランス
配給
東和
初公開日
1957年5月25日
製作会社
フィルムソノール
ジャンル
ドキュメンタリーアート


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