ヤロスラフ・プルーハ
Hosek
ヤン・ドルダの短篇小説集の一部分を、チェコ映画界若手監督オタカル・ヴァーヴラが映画化したレジスタンス映画。脚本は監督のヴァーヴラと原作者のヤン・ドルダの共同執筆。撮影はヴァーツラフ・フニュカ。音楽はイルジ・スルンカの担当。出演者はヤロスラフ・プルーハ、バルバラ・ドラピニュスカ、ヤロスラフ・マルヴァンなど。
一九四五年五月、ベルリン陥落の報に崩れ去ったドイツ軍はさらに圧倒的なソ連軍の急追を受け、チェコスロバキアのプラハに向ってなだれこんできた。その時すでに、市民たちは首都解放の喜びにもえて、各所に蜂起していた。しかし、市の北部に迫ったドイツ軍はトロヤ橋を渡って市内に入ろうと企てた。市民たちは橋のたもとにバリケードを組んでドイツ軍を一歩も入れまいと意気さかんだった。機械工のホシェリ(ヤロスラフ・プルーハ)もアウシュウィッツ生き残りのポーランド娘ハリーナ(バルバラ・ドラピニュスカ)、警官のブルチェック(ヤロスラフ・マルヴァン)ネドベド夫人(M・ヴァーショヴァ)などもそのバリケード守備隊の中で戦っていた。バリケードは三つあった。第一バリケードは卑劣なドイツ軍の計略によって破られ、第二バリケードも味方の数名とドイツ兵たちとともに木っ葉みじんに吹っ飛んでしまった。残る第三バリケードにも危険が迫った。司令部からは放棄せよとの指令が出ていたが誰も退こうとはしなかった。朝まだき、物音も立てぬバリケードを放棄されたものと信じこんだドイツ軍は続々と渡ってきたが、至近距離からする彼らの射撃に全滅してしまった。任務を果した彼らは後退したが、すでに市内は殺倒するドイツ軍との間の市街戦で廃墟と化していた。市民たちがすべての弾丸を射ちつくし、死をまつのみとなったとき情勢は急転した。ドイツ軍の背後からソ連軍の圧倒的な大部隊の猛攻撃が加えられ、敵は壊滅したのである。
Hosek
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