エットレ・マンニ
Oliviero
監督はジュゼッペ・ヴァリ、撮影は「危険なデイト」のマルコ・スカルペリ。音楽はロベルト・ニコロージが担当している。出演者は「バイキングの復讐」のアメリカ俳優キャメロン・ミッチェルが悪役に廻わり、「剣闘士の反逆」のエットレ・マンニ、「熱い手」のフランカ・ベットーヤ、それに新スター、ジュヌヴィエーヴ・グラなどが出演している。
西暦九世紀。北ヨーロッパのノルマン族は海賊を生業としていた。族長の一人、オラフは、足を洗い、英国に永住することを考えていた。彼が上陸したのはアングロ伯オリバー(エットレ・マンニ)の領地であった。一方、ダグバート王の甥、サクソン族ウィルフレッド(C・ミッチェル)は王座に野心を抱いたばかりでなく、王妃パトリシア(フランカ・ベットーヤ)をもわがものにしようとしていた。ある日、旅に在ったダグバート王が帰国するという知らせを聞いたウィルフレッドは、王を拉致した。この嫌疑がオリバーにかかり、最高法廷で有罪になった。オラフはオリバーが絞首刑に処せられることを知り、身代りを出して助けた。ウィルフレッドの奸計を見抜いたオリバーとオラフは手を結んで正義の戦いを起すことを決めた。オリバーはオラフの娘スタベニア(ジュヌヴィエーヴ・グラ)を愛していた。スタベニアは、実はダグバート王の王女で、十二年前イギリス王妃を襲ったとき、船底の赤児を我が娘として育てたのだ。この秘密をスタベニアに打ち明けたとき、ウィルフレッドの奸臣が盗聴し彼の所に送り届けた。王はスタベニアに実の娘であることを秘かにつげ、万一のときのために王位継承のしるしである指輪をスタベニアに与えた。一方、誘拐の事実をウィルフレッドの仕業であると決めつけ、オリバーはスタベニアを無事に助け出したが、王と二人で逃げ道を失った。オラフはスタベニアから事情を聞きウィルフレッドを刺し殺した。オリバーとスタベニアが結ばれたことはいうまでもない。
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