監督、脚本、製作
『岩と炎』『星と嵐』で山の詩人とも哲学者とも呼ばれ、世界的名声を持つ登山家ガストン・レビュファが製作・監督・脚本を担当して作った記録映画で、一九六一年イタリアのトレント市主催の第10回国際山岳探検映画祭でグランプリを受賞した。撮影には山岳写真家として広く知られているジョルジュ・ティラと彼の息子ピエール・ティラがあたり、類のない色彩美豊かな画面を作り出している。
ストーリー
映画はまずポール・ベリエという五十歳のアルピニストを案内して、マッターホルンに登るガストン・レビュファの姿に始まる。ゴルネル氷河、モンテ・ローザ、ポリッツクスなどを見下す頂上に立って、心から喜びにひたるポールを見てレビュファは幸福を感じる。ガイドはパートナーが喜んでくれるときが、山に来て一番嬉しい瞬間なのだ。次いでポールの頼みで、彼の十五歳になる息子に高山雪の美しさを見せることになり、山に登る。さらにモーリス・バケと一緒にやったエギーユ・デュ・ミディ南壁の初登攀の模様そして火山学者アルーン・タジェフとのモンブラン縦走を、最後に若手ガイドのクリスチャン・モリエとピエール・クルトンの三人でスリリングなドリュ南西岩壁をクライミングする。すべての場合レビュファは先頭に立ち、大胆かつ正確な登山技術を披露する。
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