アン・バンクロフト
Jo
ペネロープ・モーティマーの原作を、ハロルド・ピンターが脚色、「年上の女」のジャック・クレイトンが監督した女性映画。撮影は「ナバロンの要塞」のオズワルド・モリス、音楽はジョルジュ・ドルリューが担当した。出演は「奇跡の人」のアン・バンクロフト、「ダイヤモンド作戦」のピーター・フィンチ、「ローマ帝国の滅亡」のジェームズ・メイソン、ほかに、ジャニー・グレイ、リチャード・ジョンソン、マギー・スミスなど。製作は「年上の女」のジェームズ・ウルフ。
ジョー(アン・バンクロフト)は二度結婚し、八人の子供を生んだ女だった。現在の夫ジェイク(ピーター・フィンチ)はシナリオ・ライターとして成功し、ロンドン郊外になに不自由なく暮している。ジョーの最初の夫は大戦で戦死、二番目の夫はバイオリニストだったが生活は苦しかった。その頃突然現われたジェイクにひかれ三度目の結婚をしたのだった。ジェイクはジョーを愛してはいたが次々と浮気をしていった。ジョーは次第にヒステリックになり、精神病医にみてもらった。医者は、子供を生むことや、性について語り、その言葉は彼女の胸に強く突き刺った。ジョーは九人目の子供を懐妊したが、ジェイクのすすめで堕胎した。ジョーに新しい生活がよみがえり、新築の家も完成した。パーティーの日、女優ベスとその夫コンウェイを招いたジョーだったが、ベスと夫のただならぬ関係を知った。その上ベスはジェイクの子をやどしていた。逆上したジョーは大喧嘩の末に家をとび出し、前夫ジルスの寝室を訪れた。その後ジョーは一人、田舎の別荘にこもった。そこへジェイクは子供たちをつれてやってきた。ジェイクをむかえるジョーの眼に涙があふれた。
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