リチャード・ハリソン
Wilson
J・プリンドルのオリジナル・ストーリーを、アルバート・バンドとリチャード・ブラスコが共同脚色、リチャード・ブラスコが監督した西部劇。撮影はジャック・ダルマス、音楽はダン・サビオが担当した。出演は「七人のあばれ者」のリチャード・ハリソン、新人ミカエラなど。主題歌をディッキー・ジョーンズが歌っている。
メキシコ人ドン・ディエゴの農場は、国境に近いテキサス州カータービルにあった。家族は老ディエゴ、息子マヌエル、娘リサの他にアメリカ人孤児ウィルスン(リチャード・ハリソン)の四人だった。ある日マヌエルは恋人エレーネの経営する酒場で牧童たちにメキシコ人とあなどられ、大喧嘩をしてしまい、そのあげく父が砂金を溜め込んでいることを口走ってしまった。その夜遅く、覆面の三人組が農場に押し入り、ディエゴを射殺し砂金を奪って逃げた。外出していたウィルソンがもどってきた。そして彼は復讐を決意した。数日後、犯人は町を暴力で支配している悪徳保安官だと目ぼしをつけた。その頃エレーネは、マヌエルの父が殺されたのは自分にも責任があると思い、町から姿を消した。ところが彼女は途中、保安官の銃弾で殺されてしまった。養父殺しの確証を握ったウィルソンは保安官一味と対決し、あざやかな拳銃さばきでウィルソンが勝利をおさめた。町には再び平和がよみがえり、養父の仇をはらしたウィルソンの前にリサが明るく微笑んでいた。
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