ヘセ・バラダオ
Edgar
スタッフ・キャストのなじみは薄いが、異色セックス映画を得意とするブラジルが送ってきた、例によってのエロチシズムあふれる推理作品。ネルソン・ロドリゲスの脚本をJ・A・デ・カルヴォルホが演出。音楽はカルロス・リラが担当している。主演は、オデッテ・ララとへセ・バラダオ。リア・ロッシ、フレゴレンテ、アンドレ・ヴィリオン等が脇を固めている。製作はジョフレ・ロドリゲスとへセ・バラダオ。
金持の工業家へクトール(フレゴレンテ)の下で働いている書記のエドガー(J・バラグオ)は、ヘクトールの片腕ペローから、ヘクトールの娘との縁談を持ちこまれた。娘マリア(L・ロッシ)は、ペローとドライブ中車が故障し、ペローが修理室にいっているすきに三人の男に輪姦され、それゆえへクトールは、財力に頼んで娘の不祥事をもみけし、かたをつけたかったのだった。そんなマリアにエドガーは心から同情したが、エドガーには既に恋人があった。その夜エドガーは恋人リタ(O・ララ)をドライブに誘いマリアとの結婚話しを打ち明けた。そして、ことここにいたり自分はマリアを愛していなくて、リタだけが好きなのだと結婚を申しこんだ。しかしリタはエドガーを強く愛しているが、自分は結婚できる相手ではないと暗い過去を打ち明けるのだった。すなわち、リタは十代の時、無実の母を救うために警官に欺され体を奪われてしまったのだった。そんなリタをみてエドガーの思慕は一層つのるばかりたった。マリアとの縁談を断ることを決心したエドガーはペローの主催するパーティへ足を急いだ。しかしエドガーがその席でみたものは破廉恥な行為にふける若者の集りだった。実はペローとマリアは愛人同士だった。そしてドライブ中の輪姦も二人の遊びにすぎなかった。マリアは暴力で犯されることにしか性の喜びを感じえず、一方ペローは不能者だった。倒錯した愛の姿を見たエドガーは、リタのもとへ車を飛ばすのだった。
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