ダーク・ボガード
McGuire
イアン・スチュアート・ブラックの脚本をラルフ・トーマスが監督した。撮影はアーネスト・スチュワード、音楽はアンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノが担当。出演は「唇からナイフ」のダーク・ボガード、「パリは燃えているか」のジョージ・チャキリス、スーザン・ストラスバーグほか。製作はベティ・E・ボックス。
オリーブの林が茂り、レモンの香りが満ち溢れたのどかな島キプロスは、一九五〇年代に入るとマカリオス大司教によって指導された独立運動が激化し、これに対する英軍との間に凄絶なゲリラ戦を展開するに至った。マクガイア少佐(D・ボガード)はキプロス島における英国陸軍諜報部の重要人物で、彼の仕事は生命をかけた危険なものとなっていた。そんな少佐のわずかな楽しみは、考古学研究のためこの島に来ているアメリカの女学生ジュノー(S・ストラスバーグ)に逢うことぐらいであった。彼女は父の旧友であるアンドロス博士の家に滞在していた。そのアンドロス家の雰囲気にはただならぬものがあった。ある日、ジュノーは、食事に来ていたキプロスの青年ハジオス(G・チャキリス)とふとしたことで心ならずも口論した。表面的には金持の息子の如く見えた彼は、実はゲリラの幹部だった。ジュノーはその夜、図書館の帰りはからずも近くの部屋で秘密会議をしているゲリラの幹部たちを目撃した。そのなかには全国指名手配中のスカイロス(G・アスラン)の顔があった。翌日マクガイア少佐は、様子のおかしいジュノーを食事に誘って理由を聞いたが、彼女はこれを拒んだ。一方、ハジオスは、ジュノーが何度か少佐と会った事実をつかみ、秘密のもれるのを恐れ、彼女の処分を主張した。そして彼女を尾行しはじめた。危機が時間の問題と知った彼女はアメリカへ帰る決心をした。しかしジュノー暗殺の計画がハジオスらのゲリラ組織によって実行に移された。幾度か危機を脱した彼女はやっと飛行機に乗ったものの、ハジオスの姿を機中にみつけ愕然とした。だが英軍秘密諜報部員も同乗して、ジュノーを見守っていた。アテネ飛行場で彼女を出迎えたマクガイア少佐の前で突然撃ちあいが始まった。ハジオスは少佐の挙銃に倒れた。少佐とジュノーは平和な場所を求めて、旅立った。
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