フランコ・ネロ
Joe Navarro
ルイジ・バッツォーニとラルフ・セルペの脚本を、ルイジ・バッツォーニが監督した。撮影はカルミネ・バッツオーニ、音楽はカルロ・ルスティケリ。出演は「キャメロット」のフランコ・ネロ、「獲物の分け前」のティナ・オーモン、クラウス・キンスキーなど。テクニカラー、テクニスコープ。
セビリヤのタバコ工場を警備する軍曹のホセ(F・ネロ)は、女工のジプシー娘カルメン(T・オーモン)の野性的な美しさに心惹かれた。気性の激しいカルメンが仲間と喧嘩、相手を傷つけたので、ホセは彼女を逮捕し、警察に連行した。が、途中、言葉巧みにまるめこまれて、逃げられてしまった。その責任をとわれ、ホセは降等処分をうけた。ある日大佐の別荘でパーティが開かれ、一兵として玄関口で歩哨に立ったホセは、客間で来客にとりまかれフラメンコを踊るカルメンをみつけ、警察につき出すべく、呼び出した。だが、ホセの心をみぬいたカルメンはホセを誘惑、ホセは、彼女の虜となり、自分の立場も忘れた。そしてついに、カルメンの浮気の相手である、自分の上官を殺害、賞金つきの追れる身となった。そんなある日、ホセは、カルメンから、仲間ガルチャらと共に、金貨を運搬する馬車を襲おうともちかけられた。カルメンと二人でアメリカに渡り、出なおそうと夢みるホセは、その資金入手のため、心ならずも強盗団に加わった。金貨の強奪は成功した。だがそのためホセは、いっそうきびしい警察の眼をのがれねばならず、山に逃げた。カルメンが山をおりて、闘牛士のルーカスから、服を調達して来て、二人は一週間後にアメリカに密航できるよう、手はずをととのえてきた。そして、その当日、ホセは、仲間から、カルメンはルーカスに夢中で、ホセと一緒にアメリカに行く気などないのだ、と聞かされた。ホセは、警察に追われる身の危険もかまわず、闘牛場へ走った。ルーカスに派手な投げキスを送るカルメンをみつけたホセは、彼女の不実を責めたが、カルメンは「あなたには倦きたの……」とうそぶくのだった。悲しみと怒りに狂ったホセのナイフが、カルメンの胸をさした。
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