【ミニシアターランキング】4Kリマスター版で甦った押井守監督の伝説的アニメーションが1位と2位の2トップに!2月28日~3月2日の成績を紹介
2月28日から3月2日までのミニシアターランキング(公開30館以下スタートの作品が対象)が興行通信社から発表された。今週はベスト5のうちの4本が新作と入れ替わる大激変! 1位と2位にレジェンド・押井守監督が1995年に発表したSF長編アニメの金字塔『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(公開中)と、2004年に発表されたその続編『イノセンス』(公開中)の4Kリマスター版が堂々のランクイン。4位に『シークレット・サンシャイン』(07)などで知られる韓国の実力派女優チョン・ドヨンが主演したクライム・サスペンス『リボルバー』(公開中)が食い込み、5位に浄土真宗の宗祖・親鸞の若き日を描いた人気アニメシリーズの最新作『親鸞 人生の目的』(公開中)が飛び込んだ。
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【ミニシアターランキングトップ5】(2月28日~3月2日)
1位『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 4Kリマスター版』(NEW)
2位『イノセンス 4Kリマスター版』(NEW)
3位『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 最終章』(先週3位)
4位『リボルバー』(NEW)
5位『親鸞 人生の目的』(NEW)
1位の『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 4Kリマスター版』は士郎正宗のSFコミック「攻殻機動隊」の映画化。西暦2029年を背景に、コンピューター犯罪やサイバーテロなどに対抗するために結成された超法規特殊部隊「公安9課」のサイボーグ刑事、草薙素子とバトーの活躍を描くもので、1996年には全米ビルボード誌のビデオチャートで週間1位に!あの「マトリックス」にも影響を与えたと言われる押井守監督の代表作だ。
2位の『イノセンス 4Kリマスター版』は『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 4Kリマスター版』の3年後を描く続編。公開20周年を記念して初の4Kリマスター版で甦った本作は、テロが多発する世界を部隊に、少女型ロボットの暴走事件を追う「公安9課」に所属するバトーの活躍を描きだす。前作と共に、未来社会をいち早く予見した圧倒的な世界観が、生成AIが日常に浸透したいま観るとよりリアルに迫ってくる。しかも、押井守監督が脳内に描いていた究極のビジュアルが4Kリマスター版になってスクリーンに映しだされるから没入感はハンパない!往年の押井守ファンと、噂を聞きつけて今回初めて本作を観た人たちの双方が、五感を刺激し続ける未曾有の映像体験に大興奮していると思われる。
4位の『リボルバー』は、チョン・ドヨンが『無頼漢 渇いた罪』(15)のオ・スンウク監督と再タッグを組んだリベンジ・ノワール。警察内の汚職スキャンダルの罪をかぶる代価として大金をもらう取り引きをした元刑事スヨンが、出所した2年後に裏切られたことを知り復讐に燃える姿を、先の読めないスリリングな展開とハードなアクションで活写していく。スヨンに扮したチョン・ドヨンがとにかくクールで強靭!『操作された都市』(17)などのチ・チャンウクが彼女を罠にハメる謎の男に扮し、ドラマ「ザ・グローリー~輝かしき復讐~」などのイム・ジヨンがスヨンの前に現れるミステリアスな女性を演じているのも話題。この手のジャンルを得意とする韓国映画界の勢いと底力を感じる作品で、日ごろのストレスや鬱憤を吹き飛ばしたい観客が急増しているのかもしれない。
5位の『親鸞 人生の目的』は、高森顕徹のベストセラーをアニメ化した『なぜ生きる−蓮如上人と吉崎炎上−』(16)、『歎異抄をひらく』(19)に続くシリーズ第3弾。9歳で天台宗・比叡山の僧侶となった19歳の親鸞と関白・九条兼実の娘・玉日姫、人生の師となる法然上人との出会いのドラマが描かれる。すでに多くのファンを獲得している人気シリーズだが、歌手の杉良太郎が親鸞の老年期の声で声優に初挑戦したことが新たな観客の動員につながったのは間違いないだろう。
続いて、今週末に公開予定のミニシアター映画をピックアップ!3月7日(金)から第74回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で国際批評家連盟賞を受賞したベルギー映画『Playground/校庭』が公開。小学校に入学したばかり7歳の少女の視点で、不安と恐怖に満ちた小さな社会“学校”の真の姿とそこでサバイブする子どもたちの揺れ動く感情が生々しく描く本作も物議を呼ぶに違いない。同日には現代の韓国社会を舞台に、生まれ育った場所で生きづらさを感じながら生きるヒロインの姿を描いた『ケナは韓国が嫌いで』も登場!『ひと夏のファンタジア』(14)などで知られるチャン・コンジェ監督が9年の歳月をかけて完成させた本作が、どんな結果を残すのか?そこにも注目したい。
公開規模は小さいものの、映画ファンに愛されて続け話題性の高い良質な映画作品を鑑賞できるミニシアターに足を運んでみてはいかがだろうか。ちなみに、現在全興連ミニシアター支援プロジェクト「#ミニシアターへ行こう」では、クラウドファンディングやキャンペーンなどミニシアターを支援する様々な取り組みを実施中!作品を楽しむだけでなく、支援するという方法でミニシアターに触れてみてほしい。
文/イソガイマサト
詳細:https://moviewalker.jp/special/minitheater/
ミニシアター支援プロジェクトに関するお問い合わせ:全興連ミニシアター支援事業運営事務局(株式会社ムービーウォーカー内)minitheater@moviewalker.co.jp
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