ジャン=ピエール・レオ
Paul
モーパッサンの短篇『ポールの妻』『微笑』にヒントを得てジャン・リュック・ゴダールが脚色・台詞・監督を担当したもので、現代のフランスの若者たちは何を考え、何を語り、何を好み、そしてどう行動しているかを“十五の明白な事実”と銘うち、パリの青年男女に対するインタビューを各所に挿入し、彼らの日常的現実をシネマ・ヴェリテ形式で描いたもの。撮影はウィリー・クラント。出演は「大人は判ってくれない」のジャン・ピエール・レオー、人気歌手のシャンタル・ゴヤのほかにブリジット・バルドーと「5時から7時までのクレオ」のアントワーヌ・ブルセイユが特別出演している。
二十一歳の青年ポール(J・P・レオ)は、喫茶店でマドレーヌ(C・ゴヤ)と知りあった。雑誌社で働いている彼女は歌手志望でデビュー盤の録音で忙しい。ポールの友人ロベールは労働運動の活動家で署名運動に熱中している。ポールとマドレーヌは話し合った。遊びのこと、就職のこと、給料のことなど。そしてポールは“僕は君と寝れたらうれしいな”と言う。世界の中心は愛だというポールに、マドレーヌは自分自身だといった。大統領選挙をひかえたパリの街。ポールはロベールとビラを貼って歩く。マドレーヌとの仲も進み、彼女の友人エリザベート、カトリーヌとも知り合った。カトリーヌには未来の闘士のおもかげがある。マドレーヌのデビュー盤はまもなく出る。ポールが愛してくれるなら、寝てもいい--マドレーヌは考えた。五分間ですむ話だと、ポールは喫茶店でマドレーヌをひきとめ求婚した。だが彼女は初の録音で気ぜわしく“今はだめ、時間がないの”と断るのだった。録音が終って和解した二人。ポールが一人になったとき、少女が声をかけた。一万五千だせば、胸を見せるという。その後、遊技場でポールと口論した青年は取り出したナイフを自分の腹につきたてた。下宿を追い出されたポール。彼はエリザベートの家に同居し、ベッドがないので同じく同居しているマドレーヌと三人で寝る。世論調査研究所の仕事をしているポールは「マドモアゼル十九歳」の女性にインタビューした。彼女は恋についてはよく語ったが、社会主義については何も知らず、今どこで戦争をしているのか、という問いに、探せばわかるが興味はないと答えた。街頭でポールからマッチをかりた青年はベトナム戦争に抗議して焼身自殺をはかった。そのポールが死んだ。自殺とは考えられない--とカトリーヌは語る。
Paul
Madeleine
Robert
Catherine Isabelle
Elisabeth
Specail Gust
Specail Gust
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