マリー・リシュダール
Inga
アカン・ストランベルグの脚本を、ジョゼフ・W・サルノ(「女の歓び」の監督ジョー・サルノのスウェーデン名)が監督した青春性愛映画。撮影はブルース・スパーク、音楽はスウェーデンのグループ・サウンズ、“ザ・バンボース”が作曲と演奏を担当。出演は新星マリー・リシュダール、「女の歓び」のトーマス・ウンゲビッダー、モニカ・ストロンメルステッドほか。
三〇を少しすぎたグレタは、夫と別れ、女中との二人暮しである。そしてセックスのためだけに若い作家カールとつきあってもいた。そんなある日、別れた夫の友人エイナーの姉から、弟の私設秘書にならないかとの話があった。つまり愛人になれというわけだ。経済的な面倒は見るという。お金も欲しいが、カールの肉体にも、未練がある--グレタは迷った。そんなある日、親の死で、一人ぼっちになってしまった姪のインガ(M・リシュダール)を引き取ることになった。彼女は文学少女で、一見とても、おとなしそうだ。グレタは一計を案じた。彼女をエイナーの愛人として、さし向け、自分は、その伯母として経済的援助をしてもらおうと。そしてすべてを上手くとりはからった。しかし、ある夜、インガはグレタの目を盗み、カールと関係を持ってしまった。若い体は、もう、つっ走るより方法はない。翌朝二人は、グレタがカールに買い与えたボートで、いずこともなく旅立っていった。伝言を聞いて驚き、放心するグレタの後姿がわびしい。
[c]キネマ旬報社