マルコム・マクダウェル
Mick
デイヴィッド・シャーウィンとジョン・ホレットのオリジナル・スクリプトCrusadersを、デイヴィッド・シャーウィンが脚本化、「孤独の報酬」のリンゼイ・アンダーソンが監督した1969年のカンヌ映画祭グランプリ受賞作。撮影はチェコ出身の新進ミロスラフ・オンドリツェクで実際の学校でロケ。音楽はマーク・ウィルキンソン、編集はデイヴィッド・グラドウェル、衣裳はシューラ・コーエンの担当。出演は若い役者と、学生が使われ、ほとんどが映画初出演である。マルコム・マクドウェルは舞台とテレビの新人、デイヴィッド・ウッド、リチャード・ワーウィックは舞台の新人。クリスティーン・ヌーナンは素人。製作はマイケル・メドウィンとリンゼイ・アンダーソン。
イギリスの、ある私立中高等学校。五百年の伝統を誇る名門校だ。男子ばかりのエリートの集まりなのだが校則はきびしい。監督生と呼ばれる上級生のもと、下級生たちは家ではしたこともないような奉仕をせねばならぬ。食事を運んだり、ヒゲを刺ったり。しかし反逆分子もいた。ミック(M・マクドウェル)を中心に、ジョニー(D・ウッド)、鉄棒のうまいウォレス(R・ウォーウィック)らの三人組だ。そして下級生だが学校随一の美少年フィリップ(R・ウェブスター)も、三人に加わる。彼は男っぽいウォレスを慕っているから。フィリップは監督生デンソンからも、なにかと目をかけられている。男ばかりの世界で、彼の美少年ぶりは、とにかく気になる存在だ。映画は「授業開始」「課外活動」「儀式とロマンス」といったタイトル付きで学校の紹介をしていく。対抗競技の応援からエスケープしたミックとジョニーは、オートバイを盗んで郊外を走る。そしてコーヒー店で娘(C・ヌーナン)と知りあう。ミックと娘の、あられもない交渉。ジョニーは黙ってみている。 「規律と罰」--ついに三人組は監督生に、罰を加えられる。日頃の行動が目に余るという理由で。三人は、一人ずつ体育ジムに入れられ、ムチで尻を打たれる。中でもミックへのムチ刑は残酷だった。じっとこらえるミック。だが、その眼は、何かを、決意している。 「抵抗」--ミックの提案で三人組は決起する。手のひらをカミソリで切り、血のにじんだ手で握手。血盟だ。合言葉は“圧制者には死を”“抵抗”“自由”である。 「いざ戦いに」--軍事訓練の日、小手調べに、銃を射つ。むろん三人は捕えられた。そしてまた罰を受ける。こんどは物置き部屋の整理。するとそこには、多くの武器が埋もれていた。 「十字軍の兵士たち」--開校五百年の記念日で学校には父兄や名士が集まっている。突然すさましい銃の音。炸裂する砲弾。三人組に、コーヒー店の娘と、フィリップを加えた五人が狂ったように屋上から射ちまくる。制止する校長。だが次の瞬間、弾丸は校長の額にあたり、彼は倒れる。屋上の五人と、中庭の来賓たちの撃ちあいが始まった。五百年の伝統を誇る名門校。そして現代のイギリス。こういうことが、もしも……。
Mick
Johnny
Wallance
The Girl
Philippe
Rowntree
Denson
Stephans
Headmaster
Matron
Housemaster
History Master
監督、製作
脚本、原作
原作
製作
撮影
音楽
編集
衣装デザイン
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