スチュワート・グレンジャー
Koenigsmark
「捕われた心」「兇弾」と同じくサー・マイケル・バルコンが製作に当りバジル・ディアデンが監督した映画で、アソシエイト・プロデューサーのマイケル・レルフが装置をも受持っている。「悪魔と寵児」のジョン・ダイトンが「兇弾」の台詞を書いた脚本家兼監督のアレクサンダー・マッケンドリックと共同で、ヘレン・シムプスンの歴史小説を脚色し、「捕われた心」「乱闘街」のダグラス・スローカムが撮影に当った。音楽監督は「捕われた心」「南極のスコット」のアーネスト・アーヴィング、作曲は「捕われた心」のアラン・ローソーンである。「シーザーとクレオパトラ」のスチュワート・グレンジャー、「宝石館」のフランソワーズ・ロゼー、「嵐が丘」のフローラ・ロブソン、「闇の人生航路」のジョーン・グリーンウッドが共演し、チェコ生れのフレデリック・ヴァルク、舞台出のピーター・ブル、「捕われた心」のマイケル・ガウ、「情炎の島」のメグス・ジェンキンズ、製作者バルコンの娘ジル・バルコン等が助演する。
ドイツのハノーヴァー選挙侯の妃ソフィーは、英国王家の血をひき、その国王の地位を狙っていた。長男ジョージの嫁として、彼女は富めるウィリアム公の娘ドロテアを迎えんとした。この政略結婚の犠牲となって十六歳のドロテアは泣く泣く放蕩なジョージの妻となり、年を経て生れた二人の愛児を唯一の慰めに暮していた。その頃スウェーデンの軍人ケーニヒスマルク伯が、この宮廷の客となった。選挙侯の情婦プラーテン伯夫人は、彼が賭博の負債に苦しんでいるのを見てそれを救ってやる代りに、親子ほど年下の彼を愛人とした。そして彼を、当時英国を助けてトルコ遠征に出んとする陸軍の司令長官につけてやろうとしたが、彼は他国者はその任に非ずとして断り、近衛大佐の地位を得た。この任命の時、彼は初めて偶然にドロテアと会いその後幾度も会合で顔を合わせるうち二人の胸には強い恋が成長したが、互いに打明けなかった。然し一年一度のお祭りの夜、恋しさに耐えやらずケーニヒスマルクの家を訪れたドロテアは、初めて彼と唇を重ね二人の愛は激しく燃上った。然し彼はドロテアの身に禍いの及ぶのを恐れ、王子チャールズを司令官とする遠征軍に参加して、遠くモレア半島へ出征した。時がすぎハノーヴァー軍の大敗が伝えられ、チャールズは行方不明となった。だがケーニヒスマルクが無事でいることを聞いたドロテアの喜びは隠しきれぬほど大きく、ジョージはついに二人の愛を知った。やがて帰国したケーニヒスマルクは、ドロテアを連れて故郷スウェーデンへ脱出の計画をたてた。不運にもこれはプラーテン伯夫人のために見破られ、嫉妬にかられた彼女はジョージと相談して、人知れずケーニヒスマルクを殺そうと近衛隊の武士に襲撃させた。ケーニヒスマルクは奮戦して数名を倒したが、ついに刃に伏し、ドロテアは宮廷の裁判に附せられ離婚を申渡された。そして愛する人を失った彼女は、終生を一人淋しくアールデンの古城に囚われの身となった。
Koenigsmark
The Electress Sophie
Countess Platen
Sophie Dorothea
The Elector
Prince Georg Louis
Deurer
Prince Charles
Frau Busch
Knesbeck
Dorothea's Father
Dorothea's Mother
監督
原作
製作
撮影
音楽監督
美術
美術
アソシエイト・プロデューサー、セット
作曲
脚色
脚色
[c]キネマ旬報社