ジャン・ギャバン
Pierre
イタリア製作者アルフレッド・グワリーニがフランシネックス社の協力によって製作した一九四九年度伊仏提携作品。「自転車泥棒」のチェザーレ・ザヴァッティーニとチェッキ・ダミコがグヮリイニと協力したオリジナル脚本を、「田園交響楽」のコンビ、ジャン・オーランシュとピエール・ポストが潤色・台詞を書き、「海の牙」のルネ・クレマンが監督した。撮影は「宝石館」のルイ・パージュ、音楽はロマン・ヴラドが担当する。「獣人」のジャン・ギャバン、「ホテル・イムペリアル」のイザ・ミランダ、アンドレア・ケッキの他、ヴェラ・タルキ、ロベール・ダルバン、アヴェ・ニンキらが出演する。なお本作品は五〇年度のアカデミー外国映画賞を獲得、クレマンとミランダには夫々四九年カンヌ映画祭で監督、女優賞を授けられている。
ジェノバの港に、年老いたフランス・ピエール(ジャン・ギャバン)が降り立った。彼は烈しい歯痛に悩まされていたうえ財布をすられた無一文で、行商人から掴まされたニセ札しか持っていなかった。港の少女チェッキイナ(ヴェラ・タルキ)の案内で歯医者に出かけたが、ニセ札を見破られて警察へ出頭した時、少女の母である給仕女マルタ(イザ・ミランダ)に会った。ピエールに好意をもった彼女は、彼をアパートに連れて来たが、その夜彼女と別居している夫がやって来て、チェッキイナを取りかえそうとした。ピエールが夫を追いかえしたことから、彼とマルタの交情は更に濃くなった。船に戻ろうとして乗船を拒否されたピエールは再びマルタの許に帰り、初めて自分が情婦殺しのお尋ね者であることを告白した。マルタの愛は変らなかったがチェッキイナは二人の間を嫉妬しはじめ、ピエールを港に戻そうとした。一方警察はマルタの夫の告訴により、アパートを調べに来、更に情婦殺しの捜査の手も伸ばしはじめた。それも知らず再びマルタの許へ戻って来たピエールは、母子のためにさまざまな物を買い与えてマルタを喜ばせたが、しかし遂に彼女の夢も崩れる日がやって来たチェッキイナの眼をさけようとした二人は却って待伏せした警官のワナにかかったのである。お前のためにはこの方がいいんだと、ピエールはひとり司直の手に引かれていった。
Pierre
Marta
Josephe
Cecchina
Bosco
Maria
Policeman
監督
脚本
脚本
脚本、製作
撮影
音楽
台詞、脚色
台詞、脚色
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