エヴァルト・バルザー
Beethoven
ベートーヴェンの生誕百八十年を記念して、彼の半生を描いたこの作品は、一九五〇年製作のオーストリア映画で、「モツアルトの恋」のカール・ハートル総指揮のもとに、新進ヴァルテル・コルム・フェルテエが脚本・監督を担当。撮影はギュンター・アンデルスとハンネス・シュタウディンガー、音楽指揮はハンス・クナッペルツブッシュ。ウィーン・フィルハーモニー・オーケストラ、ウィーン交響楽団、ウィーン国立歌劇合唱団、ウィーン少年合唱団が演奏する。ベートーヴェンにはブルグ劇場の俳優エヴァルト・バルザーが扮し、戦後売出のマリアンネ・シェーンナウア、イワン・ペトロヴィッチ、ジュディット・ホルツマイスター、オスカー・ヴェルナーらが共演する。
ウィーンでは、ナポレオン進撃の報に湧きかえっていた。同市で作曲生活に精進していたベートーヴェン(E・バルゼル)ばナポレオンこそ自由と平等をもたらす使者だと感激、制作中の交響曲を「エロイカ(英雄)」と名付けて一気に完成した。その頃、彼の女弟子テレーゼ・フォン・ブルンスヴィク(M・シェーンナウア)は、ナポレオンのウィーン占領に伴って一家共どもハンガリイに避難、同行した従姉ギュリエッタ(J・ホルツマイスター)にベートーヴェンのことを親しげに語ってやまなかった。占領後のナポレオンは次第に独裁的となり、裏切られた気持ちのベートーヴェンはエロイカの表紙を破り捨てると夜陰に乗じてハンガリイに逃げのびここではじめてギュリエッタと知り合い、二人の関係は進んだ。テレーゼはこの関係を知り、失望の裏に、この偉大な作曲家を一人の女性の許に止めてはならないことを悟った。数年たち、ウィーンに帰ったベートーヴェンは次第に個疾の耳病が重くなり、ついに「フィデリオ」初演のとき指揮棒が振れなくなっている自分を発見した。失意の彼を慰めたのは、この数年彼に変らぬ愛を捧げて来たテレーゼであった。彼女の励ましで、ベートーヴェンは新たな希望にもえて「第九交響曲、歓喜の頌」の作曲にとりかかった。
Beethoven
Therese von Brunswik
Giulietta Guicciardi
Karl
Karl's Mother
Duke Lichnovsky
Duchess Lichnovsky
Amenda
Domorganist Albrechtsberger
Schuppanzugh
Country Doctor
Country Priest
Theatre Manager
The Hostess
French Officer
French Officer
監督、脚本
製作
総指揮
撮影
撮影
音楽
音楽監督
編集
音楽演奏
音楽演奏
音楽演奏
音楽演奏
音楽演奏
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セット
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