Franz Edjinietz
Prince Albrecht
アルブレヒト親王は欧州中世紀の某国の主権者であったがすこぶる無慈悲なる政治を行ったので人民の怨を買った。親王の義弟エルネスト公爵は兄とは全然その性質を異にして仁慈に厚き高潔なる武士で人民から敬慕された。国内の武士は自然と親王側及び公爵側に分かれ其の間闘争常に絶え間なかった。かくして其の後国王の虐政は日に甚しく人民は塗炭の苦を嘗め宮殿に放火する者を迄出した。予ねて公爵に心よからぬ親王は此の火災を公爵の扇動と曲解し彼を捕らえ、遠く離れた都に追放する。公爵の美しき妻エリザベットは夫の無罪を国王に哀訴した時、彼は之を機会に彼女を我物たらしめんとしたが意を得なかった。しかしこれが為彼女は夫よりあらぬ疑惑を蒙り、悲しき夫妻離別を余儀なくされた。数年後国王は何者かに殺害され継嗣なき為公爵は遠き都から迎えられた。貞節なるエリザベットの真意もようやく理解される時が来た。公爵の身には昔に倍した喜悦と幸福に充たされた日が続いた。
Prince Albrecht
Duke Ernest
Helena
Belta Selephelbelch
Sascha
Hagan
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