カルロ・カンポガリアニ
Jack Moore
その昔ナポレオンになったカルロ・カンポガリアニ氏は、今度は天下の放浪者に扮する。氏はレティツィア・クアランタという妻を得て、自社をたてた。即ちカンポガリアニ映画会社である。この映画は独立後の作品である。無声。
ジャック・ムアは小さい時家を飛び出して今は天下のヴァガボンドである。相棒のトムが死ぬ時にその母への手紙を托される。その母というのは盲目の公爵夫人ウィンターである。ジャックはその手紙を持ってウィンター公爵夫人の許へ行く途中、彼の首筋の疵痕から(トムの首にも同じような疵があるのである)トムと間違えられる。ジャックはそのままずるずるべったりに若君になってしまう。其処で彼は従妹のレティと仲良くなる。昔仲間がやって来て彼を苦しめる。彼も遂に事実を告白してウィンター家を去ろうとする。事実を知った夫人は去ろうとするジャックを我が子として止まらせる。
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