監督
1928年の冬、スイスのサン・モリッツで行なわれた第2回冬季オリンピックの実写で、いわばあらゆる種類のウインタースポーツのレビューでもあり、当時の世界的選手の活躍振りを余す所なく示した記録的映画でもある。実写とはいえ、「聖山」のアーノルド・ファンク氏が監督し、ゼップ・アルガイヤー氏、ハンス・シュネーベルガー氏が撮影したものである。(無声)
ストーリー
雪に輝いているサン・モリッツの盆地に、オリンピアの勝利の月桂冠が急がしく編まれている。25の国々から集まった冬の猛者共が、雪と陽に焦げた顔をほてらせて、目睫に迫った晴れの競技のために、最後のトレーニングを行っている。盆地の村の白百合の様な塔と高い破風とが朝日に燦然と煌めくある朝、いよいよ第二回世界冬季オリンピック競技の幕が切って落とされるのである。ノルウェイのソニア・ヘニー嬢、フランスのジョリー嬢の鮮やかなフィギュア・スケーティングがある。スウェーデンのアクセル・イスラエルソン氏、ノルウェイのオレ・ヘッゲ氏、の五十キロメートル競走、スウェーデンのスヴェン・エリクソン氏のスキー・ジャンプ、等と世界各国の一流選手が悉く参加しての競技は刻々に白熱化して行く。アイス・ホッケーが勇敢なカナダの選手の優勝に終わると共に、この会期は閉じる。勝利の栄冠を載いた勇士達が、誇らしく悦ばしい面持ちで北の国々へと帰って行く。サン・モリッツの白いスタジアムに四年目の冬を約しながら。
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