マリア・メンティ
Sonia
フランツ・ザイツ氏の監督した人情劇で、主役は新進のマリア・メンティ嬢で、「海の怪」等出演のカール・デ・フォークト氏とエレナ・マコウスカ嬢とが主要な役を演じて居る。無声。
バルカンの或る小国に金の羊と言う宿屋があった。老主人の一人娘ソニアは従兄のデレンと楽しい日を送って居たが、或る雪の朝、この国の太公は狩猟の途次此の宿屋に立寄られソニアの可憐な姿に心を動かされ、命を画家ベルグソンに含めて引上げた。残った画家はソニアをモデルにして聖母の像を描くうち二人は何時か恋に陥ちて結婚する事に成ったが、太公は心安からず、画家を恋して居るレイモンド伯爵夫人とは、太公の秘書クラリーと計って奸策を廻らした。芸術家肌のベルグソンと世の中を知らぬソニアとの仲には次第に不満が起こって、画家は単身イタリアへ旅立った。ソニアは太公等に説かれて夫の跡を追ったが、悲しみを抱いて帰って来た。自暴自棄となったベルグソンは泥酔の果て決闘して傷ついたとの報がソニアの許へ来た時、彼女は総てを忘れて夫の看護に手を尽くした。今は悔悟したベルグソンは彼女に謝して、二人の仲には初めて幸福の日が訪れたのであった。
Sonia
Deren Vetter
Duke
Clary
Countess Raymond
Walter Bergson
Sonia's Father
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