ピエール・ブランシャール
Raskolnikov
文豪ドストエフスキーの名作小説を新鋭のピエール・ブランシャールと「モンパルナスの夜」「黒い瞳(1935)」のアリ・ボールとが主演している。脚色にはシュナル自身が、製作者のクリスチャン・スタンジェル、「無名戦士」等の監督者ウラジミール・ストリシェフスキー両氏の協力を得て当たり、台詞は小説家のマルセル・エーメが書いた。助演者は「リリオム」のマドレーヌ・オーズレーを始めとして、「白き処女地」「モンパルナスの夜」のアレクサンダー・リニョオ、「別れの曲」のリュシエンヌ・ルマルシャン、「泣き笑い千法札」のマルセル・ジェニア、「上から下まで」のカトリーヌ・エスラン、マグドレーヌ・ベリュベー、ドゥーキンク、マルセル・ドレートル、等である。音楽は「最後の戦闘機」と同じくアルテュール・オネガーが書卸し、キャメラはマンドヴィレ、ルネ・コラの両氏が担任した。
一八六五年、セント・ペテルスブルグ。若い学生ラスコルニーコフは貧窮のどん底で、安下宿の屋根裏部屋に住んでいた。彼に執拗に附き纏うのは或るイデエだった。彼はそのために、貪欲飽くなき高利貸しの老婆アリオーナ・イヴァノヴナを殺し、老婆の金を以て、彼の貧しい母と妹を助け、併せて彼の学業を遂げようと決心した。そして彼は老婆を周到な準備の下に殺しはした。しかし、同時に来合わせた老婆のかわいそうな妹エリザベートをも彼は夢中で殺してしまった。犯行の後に、ラスコルニーコフを襲ったものは、解け難い疑惑の数々と、苦悩の数々とであった。彼は人を避けた。母親も妹も、それから親友のラズーミヒンも。だが、彼は一方、殺人を犯した場所へ、我ともなく惹きよせられるのであった。そんな風に錯乱する神経で苛立っていたラスコルニーコフの前に現れたのは予審判事ボルフィールであった。判事はラズーミヒンの従兄だった。ボルフィールが徐々としてラスコルニーコフの上に探査の網をなげて行くにつれ、ラスコルニーコフは反抗し焦慮し、また苦しんだ。そんな間に、彼は車に轢かれた酔いどれのマルメラードフに行き合った。この酔いどれは己れの酒から、以前は貴婦人だった妻を貧困に陥し、娘のソーニャを巷の女に落としたのだ。ラスコルニーコフは持っていた金を全部彼の葬式に投げ出した。ラスコルニーコフはソーニャを助け様と考えた。だが彼女は同時に彼にとって苦悩を訴える唯一の人間でもあった。虐げられたソーニャには同じく気の毒なこの青年の気持ちがすぐ解った。だが、ラスコルニーコフはボルフィールにどうしても会いたくなる。ボルフィールは再び彼を押し詰める。しかし、この刹那容疑者として拘引されていたニコラが犯人だと自白したので、彼は再び離される。ラスコルニーコフは再びソーニャを尋ね、自分が老婆を殺したと彼女に打ち明ける。ソーニャは泣いた。そして彼女はラスコルニーコフに自白を勧める、そして流刑には私も一緒について行きます、という。ラスコルニーコフは遂に決心した。そして彼は警察に行って、己れが犯人なことを告げる。それから雪のシベリアへの道、徒刑囚に交じったラスコルニーコフの後にはソーニャの姿が見られた。
Raskolnikov
Sonia
Porphyre
Dounia
Mme. Raskolnikov
Razoumikhine
Catherine Ivanovna
Loujine
Aliona
Nicolas
Marmeladov
Elisabeth
Zamiatov
Polia
Lieut. Poudre
Le Borgne
L'adjoint du commissaire
Nastassia
Koch
Pestriakov
監督、脚色
原作
製作、脚色
撮影
撮影
音楽
美術
台詞
脚色
[c]キネマ旬報社