監督、製作総指揮
第十一回ベルリンオリンピック大会の記録映画で、「モンブランの嵐」「青の光」のレニ・リーフェンシュタールが総指揮並びに芸術的構成に当り、ハンス・エルトル、ワルター・フレンツ、ギュッチ・ランチナー、クルト・ノイバート、ハンス・シャイブ以下総数四十四名の撮影技師が動員され、「最後の一兵まで」「朝やけ」のヘルバート・ヴィントが作曲を附した。演奏はブルーノ・キッテル合唱団、フィルハーモニック管絃団、ミューラー・ヨーン指揮のライプスタンダルテ、ウファ交響管絃団、トーフィ管絃団が当り、ポール・ラーフェン博士、ロルフ・ヴェルニッケが解説を受持った。製作指揮はワルター・トラウト及びワルター・グロスコプ、プロローグ撮影指揮はヴィリイ・ツィールケ、技術顧問はルドルフ・ヤート、同時録音総指揮はジークフリート・シュルツェがそれぞれ担当した。
ストーリー
第一部は陸上競技十六種を中心とし、「本映画をオリンピック競技会再興者ピエール・ド・クーベルタン男爵に捧ぐ」及び「全世界の青年達の名誉と栄光のために」というタイトルにつづき、オリンピック競技発祥の地たるギリシャのオリンピアに古代の盛典をしのぶ遺跡や、スポーツ精神を讃えたギリシャ彫刻の紹介に始まる。やがてその彫刻は一つ一つの動く肉体の裸像と変り、しばらくは古代ギリシャへの夢を追う。次いで古代オリンピックの精神を、二十世紀のオリンピアードに盛る聖火リレーが始まる。大会開催に先だつ事十一日、一九三六年七月二十日午前十時、オリンピア・クロース丘に神話そのままに、ギリシャ乙女の手によって太陽熱で聖火が点ぜられ、ギリシャ選手コイリスを第一走者として遠く三七五〇キロを隔てたベルリン大会の競技場へ聖火は出発する。この間、アテネ、デルフィ、サロニカ、ソフィア、ベルグラード、ブダペスト、ウィーン、プラーグ等七ケ国の主都を通過し、三千余人の若人の健脚によって、八月一日ベルリンスタジアムへ、怒涛の如き歓声に迎えられつつ最後の継走者シルゲンは、到着し競技場の祭壇に聖火を点じる。直ちにヒトラー総統は開会の辞を宣し、選手代表の宣誓が終るとリヒアルト・シュトラウスのオリンピック頌歌が合唱される。参加国数五十一、選手役員の総数六千余人、世界民族のスポーツ大饗宴はかくして始まった。この映画では次の順序で競技が撮影される。男子円盤投ではアメリカのカーペンターが優勝し、女子円盤投ではドイツのマイエルマイヤー、女子槍投はドイツのフライシャー、女子八〇障害はイタリアのワルラが勝ち、ハンマー投げでドイツのハインが優勝する。百メートルはアメリカのオウンス、女子走高跳キーク(匈)、砲丸投に優勝したヴェルケ(独)はヒットラーから握手を受ける。八百メートルでウッドラフ(米)が勝つと、三段跳で田島が優勝して君が代の演奏があり、原田も二位の日章旗を上げる。走幅跳オウンス(米)田島三位、千五百はニュージーランドのラヴロックがイタリアのベッカリ、米のカニンガムと火の如き接戦を演じて勝ち、走高跳のジョンスン(米)、高障害タウンス(米)、槍投シュテック(独)が各々自国の国歌を奏せしめ、一万メートルでは四位の村社が涙ぐましい奮闘を見せ、ヒットラー総統を熱狂させる。棒高跳では西田と大江が一位のメドウス(米)と暮色迫る場内で熱戦を展開する。次いでリレー競走が行われ、女子四百では先頭を切ったドイツ・チームはバトンを落して失格し、アメリカチームが一位となる。同じく男子四百リレーは、一番のオウンスと二番のメトカーフが、遠く他国を引離してアメリカの優勝となり、千六百リレーではイギリスの四人がよく走って一着をしめると、いよいよ最後にマラソンの走者が場外へ走り出る。二時間二十九分余の死闘の後、日本の孫が第一着をしめ、南も第三位に到着する。かくして最後の競技に二本の日章旗が空に翻り、君が代が奏せられ、この競走を終りとして陸上の閉会式が夜の大スタジアムで行われる。
スタッフ
ナレーション
ポール・ラーフェン
ナレーション
ロルフ・ヴェルニッケ
製作
ワルター・トラウト
製作
ワルター・グロスコプ
撮影
ハンス・エルトル
撮影
ヴァルター・フレンツ
撮影
ギュッチ・ランチナー
撮影
クルト・ノイバート
撮影
ハンス・シャイブ
撮影
40人のドイツ人カメラマン
撮影
ヴィリイ・ツィールケ
音楽
ヘルバート・ヴィント
美術
ロベルト・ヘルルト
録音
ジークフリート・シュルツェ
録音
アーサー・キーケブッシュ=ブレンケン
録音
ルドルフ・フィットナー
録音
コンスタンチン・ブーニッシュ
音楽演奏
ブルーノ・キッテル合唱団
音楽演奏
フィルハーモニック管絃団
音楽演奏
ミューラー・ヨーン指揮ノライプスタンダルテ
音楽演奏
ウファ交響管絃団
音楽演奏
トーフィ管絃団
編集補
マックス・ミシェル
編集補
ヨハネス・ルドク
編集補
アーンフリッド・ハイネ
技術顧問
ルドルフ・ヤート
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- Fest Der Volker Olympia Teil 1
- 製作年
- 1938年
- 製作国
- ドイツ
- 配給
- 東和商事
- 初公開日
- 1938年
- 上映時間
- 110分
- 製作会社
- オリンピア
- ジャンル
- ドキュメンタリー
[c]キネマ旬報社