ジャン・ミュラー
Jack Pathurst
ピエール・シュナールの「罪と罰(1935)」に次ぐ監督作品で、ジャック・ロンドンの小説を映画化したもの。製作顔触れは「罪と罰(1935)」と殆ど同じで、即ち、ピエール・シュナールとクリスチャン・スタンジェルが協力して脚本を書き、マルセル・エーメが台詞を執筆、アルテュール・オネガーが作曲、そしてマンドヴィレが撮影を担任した。但し、撮影に関してはセットをマンドヴィレ、クリスチャン・マトラの二人が担任、エキステリアをマトラ、バックの二人が担任したことを附言する。主演者は「夜の空を行く」「最後の戦闘機」のジャン・ミュラー、新人のウィンナ・ウィンフリード、最近物故した性格俳優アンドレ・ベルレーの三人で、「ゴルゴダの丘」のリュカ・グリドゥー、「最後の戦闘機」のルネ・ベルジュロン、「地の果てを行く」「ゴルゴダの丘」のロベール・ル・ヴィギャンが重要な役を勤めて出演するほか、「ミモザ館」のモーリス・ラグルネ、「吼えろ!ヴォルガ」のジャック・ベルリオーズ、マックス・ダルバン、「母性の秘密」のグージェ、レイモン・セガール、邦人バリトン歌手たる牧嗣人、等が助演している。
小説家ジャック・パターストは金が無くて困っていた時、ちょうど、あるロンドンの新聞社でオーストラリア進いの最後の帆船エルシノアのルポルタージュ記者を求めているのに行き逢いその任を引き受けエルシノア号に乗り込んだ。ところが、この穀物輸送の船の乗組員というのが無頼の徒ばかりで、一等航海士パイクは腕力を以て、彼等を指揮していた。ジャックはこのパイクの暴行を見て憤り、下船を決心したが、船中の紅一点たるウェスト船長の姪ウィンナの姿を見てそれを思い止まった。ウェスト船長はイギリス紳士らしい温厚な人物であったが、乗組員の中には警察のお尋ね者のバート、悪病持ちのデイヴィス、その他の仕末に終えぬ者どもがいて、パイクに対する反抗その他からやがては船に一波乱起きねば納まらなかった。そして二等航海士メレールが船長を殺したのをきっかけに、エルシノア号内は敵味方二つに分かれた。パイク、ジャック、ウィンナ及び数人の忠実な水夫と、無頼な暴徒との対立である。そしてこれが数日、数夜、続いた。やがてバートは中国人のコックに殺され、暴徒達も飢えと疲れのために、遂に屈服するに至り、船内は再び平和に帰った。この時にはジャックとウィンナとの恋も成立していたことは云う迄もない。
Jack Pathurst
Winna West
Lieutenant Pike
Charles Davis
Lieutenant Mellaire
Bert Rhyne
O'Sullivan
Capitaine West
Tom Spink
Sundry Buyers
Larry
Murphy
Wada
L'Editeur
Le Secretaire
Shorty
Pilotin
監督、脚本
脚本、製作
原作
撮影
撮影
撮影
美術
作曲
台詞
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