ユルゲン・マーク
Fritz Lang
「メトロポリス」などで知られる表現主義映画の巨匠、フリッツ・ラングがその「人工楽園」的な美の世界に目覚めるきっかけとなった青春時代をフィクショナルに構成した作品。エグゼクティヴ・プロデューサーはバヴレ・コゴイ、製作はヨシプ・コシュタ、監督は「Rdeci Boogie」('80・未)のカルポ・ゴディナ、脚本はブランコ・ヴチェチェヴィチ、撮影はトミスラフ・ピンター、音楽をプレドラグ・ヴラネシェヴィチとムラデン・ヴラネシェヴィチが担当。出演はユルゲン・マーク、ヴラド・ノヴァクほか。
1935年、ロサンゼルス。「ドクトル・マブゼ」などドイツ映画の黄金時代に輝かしいキャリアを描いてきたフリッツ・ラング(ユルゲン・マーク)はいま、ナチスから逃れてハリウッドのホテルに暮らす身だった。そこへ訪ねてきたインタヴュアーの質問に答えて彼は自らの創造の源泉となった青春時代について語り出す--。第一大戦中、砲兵士官としてスロベニアに赴いた若きラングはそこで芸術の多彩な分野にその才能を示す弁護士のカロル・ガトニック(ヴラド・ノヴァク)の一家と交流を持つ。ガトニック家での刺激的な日々は彼を映画へと駆り立てる原動力となった。そしてまた神経症を病み、冷たい金属への偏愛を感じるガトニックの美しい妻カタリーナ(ドラガナ・マルキッチ)のイメージはそのまま「メトロポリス」の人造人間マリアの素であるのか? 映画はラングのドイツ時代の諸作品をインサートしながらその映像美の秘密を解き明かしてゆく……。電話のベルが鳴った。MGMのスタジオの車が迎えに来たのだ。今、ラングの前には「暗黒街の弾痕」に代表されるハリウッド時代が開けようとしていた。
監督
脚本
製作
製作総指揮
撮影
音楽
音楽
字幕
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