ヴィクトル・ツォイ
Moro
麻薬に溺れた恋人を立ち直らせるために密売グループたちと闘う青年を描いた青春映画。監督は短編『ヤッ・ハー』(未)で注目を浴び、本作が長編デビューとなるラシド・ヌグマノフ。脚本はアレクサンドル・バラノフとバフィト・キリバエフ、撮影はムラート・ヌグマノフ、音楽はヴィクトル・ツォイが担当。
カザフ共和国マルマ・アタ。故郷に帰って来たモロ(ヴィクトル・ツォイ)は家には寄らず、まず友人のスパルタク(アレクサンドル・バシロフ)を借金を取立てるため訪ねる。だが貸した金は返してくれない。やむなく、かつての恋人ディーナ(マリナ・スミルノーワ)の別荘に泊めてもらおうと考えるが、あいにく別荘は処分され、彼女のアパートに誘われた。久し振りにあったディーナは麻薬に冒されて以前の彼女ではない。ある日、モロはスパルタクに連れられて彼の仲間がたむろするバーに行くが、そこでケンカに巻き込まれる。スパルタクはモロに街を離れるよう勧めるが、結局、モロはディーナのことが気になって一度は汽車に乗り込むが、再び街に舞い戻る。ディーナはモロに、病院への就職を世話してくれた外科医アルトゥール(ピョートル・マモノフ)に誘惑されてヤク中にされ、ヤクの運び屋役をさせられていたと告げる。治療のためにモロはディーナを海の側に連れて行き、彼女を小屋に匿う。しばらく後、街に戻った彼は、ディーナの持っていた残りのアンプルをアルトゥールに渡す。アルトゥールは麻薬中毒者たちに空のアンプル箱を渡し、薬はモロが盗んだと騙す。ヤク中たちはモロを捕え、モロは彼らから逃げ出すが、ディーナの部屋へ行くと、彼女はまた薬に手を出していた。モロは、スパルタクたちの助けを借りて、アルトゥールに復讐せんと立ち向かうが、追いつめてみると彼はただの臆病者に過ぎないことがわかり、モロは叩きのめしはしなかった。そして今度こそディーナを麻薬中毒から立ち直らせようと決意した矢先、モロは麻薬患者の一人にナイフで刺される。傷を負った彼は、雪の中、フラフラと歩き去っていく。
監督
脚本
脚本
撮影
音楽
美術
字幕
字幕監修
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