カン・ヤン
チーエン
革命直後のある町を舞台に、仇討ちしようとする娘を惨殺した盗賊一味に挑んでいく流れ者の姿を描いた功夫股旅もの。監督は、のちにジョン・ウーとして広く知られるようになる呉宇森と、王凱怡の共同で、ジョン・ウーの監督デビュー作である。
ルンイエという盗賊ボス一味が略奪をほしいままにしていた革命直後のある町に、チーエン(干洋)という流れ者が現れる。彼は武闘にすぐれ、勇敢で思いやり深い男であった。折りも折り、ベテラン刑事がルンイエの一味によって殺され、その娘のイエフエン(ティエン・ニー)は心に復讐を誓う。イエフエンの婚約者フアンミンも盗賊一味を退治すべく町に現れ、当初彼はチーエンと反目していたが、同じ目的のために手を結ぶこととなった。これを知った盗賊のボスは、フアンミンを殺害する。やがてイエフエンの身辺にも危害が及んだので、チーエンはなじみの売春婦(胡錦)に彼女をかくまわせた。女二人は変装してボス一味の隠れ家に忍び込み、その結果惨殺されてしまうこととなる。悲しみに怒りを爆発させたチーエンは、敵を求めて片っ端から叩き殺し、得意の飛び蹴り・突きを駆使して暴れ、そして自らも死体の山の中で意識を失っていくのだった。
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