李俊峰
東方旭
クンフー本家の中国がはじめて手がけた本格的クンフー映画。流れ者の武芸家が修練の末ロシア人レスラーとたたかう。監督は張華勲。脚本は張華勲と謝洪の共同。主演は、全中国武術家協会教練委員会副主任(当時)の李俊峰。「83中国新作フェスティバル」にて上映。
1920年代。武芸を売り物に各地を転々として天津に流れ着いた東方旭(李俊峰)は、寺の前で武芸を披露中、この地で勢力を張る神州武術館の館長・何大海(李徳玉)から縄張りを荒らす者として追い払われ、タバコ売りに身を落とす。その後、武術の師であり妻(戈春艶)の父の弟子・神掌李(張雲渓)とめぐりあい、この老武術家と日夜、八卦掌の修練に励んだ。当時の天津は各国の租界があり植民地同然であったが、折から興行師トラエフの招きにより、レスリング世界チャンピオンを自称するロシア人ダダロフが天津にやって来て何大海と試合することになる。何大海は惜しくも敗れたが、彼の願いを受けてダダロフに挑戦した東方旭は、八卦掌の秘術で見事に雪辱するのだった。
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