クォ・カイミン
星明
中国最大の工業都市である上海を舞台に、そこに働く若い労働者たちの姿を描く。
造船所の労働者・星明(郭凱敏)は作家志望で、仕事の合間に子供たちのための科学読み物を書いている。ある日、彼は自分に向学心を植えつけてくれた女教師に似た女性・茵茵(呉玉華)を路上で見かけ、あとをつけて知り合いになり交際を始めた。茵茵は高給幹部の娘で、裕福な家庭のドラ息子と付き合っていたがやがて星明を愛するようになる。彼女の母親は、娘の相手が一介の労働者と知ると、原稿を書くホテルの部屋を提供するという交換条件で星明に手を切らせようとした。星明はいったんその条件を受けれるが、茵茵の情熱にうたれて結局は結ばれる。この間、星明の妹・小琴も、付き合っている労働者の恋人がありながら、より豊かな生活に憧れて別の青年と付き合うようになっていた。小琴はお金欲しさに青年と詐欺まがいの行為をして星明に叱られるが、星明とて妹と同様の立場にあったのだ。
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