ヴィクトル・アヴィーロフ
Platon
今世紀初めのペテルスブルグ。折しもアヴァンギャルド芸術が萌芽した美術界で寵児となったデザイナーが、遭遇する怪奇な出来事を描く。アレクサンドル・グリーンの『灰色の自動車』をモティーフにしている。
1908年、プラトン(ヴィクトル・アヴィーロフ)は宝石商から等身大の蝋人形の製作を依頼され、貧しい病気の娘アンナ(アンナ・デミヤネンコ)をモデルにして作った。十四年後、実業家グリリオ(ミハイル・コザコフ)に新居の装飾を頼まれたプラトンは、夫人のマリア(アンナ・デミヤネンコ)がアンナにそっくりなことに気づく。彼女がかつて自分が作った蝋人形であることを確信し、不吉なものを感じた。やがてグリリオを死に、プラトンにも死の影が忍び寄って来る。
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