タオ・ザール
ワン
クオ・シャオチュアンの長編詩を基にした抗日映画。第五世代の最初の傑作といわれていたが、抗日戦中の共産党の査問問題を肯定的に描いていたために公開許可がおりず、88年までオクラ入りしていた。撮影を「紅いコーリャン」「菊豆」のチャン・イーモウが手掛けている。
1941年、河北平原。スパイ容疑をかけられたワン(タオ・ツォールウ)は、犯罪者八人のいる牢に入れられた。八人はいがみあいながらも脱獄を狙っていた。部隊の移動とともに九人は一緒に行動し、しだいにワンの人柄にひかれ、彼の潔白を確信する。部隊は日本軍の包囲網を突破しようとするが、次々と戦死していく。八人もワンの指揮で戦うが、抗しきれず死亡。ワンは傷ついた隊長を背負い味方を求めて平原を歩いていく。
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