エヴァ・ラース
イザベラ
「モンテネグロ」「スウィート・ムービー」などで知られる鬼才ドゥシャン・マカヴェイエフが、その“セクスポル”スタイルを確立した作品。実際に起きた殺人事件を題材にしたドラマに、実在の犯罪学者ジヴォン・アレクシッチ博士が分析を加え、さらにこれも実在の性科学者であるアレクサンダル・コスティッチ博士が、古代から現代に至るセックスについてレクチャーしていくという構成を取っている。これに加えて十月革命などのニューズリールがカットインされ、物語そのものとこれらが渾然一体となってマカヴェイエフ・ワールドを作り上げていく。
ザグレブで電話交換手として働くイザベラ(エヴァ・ラース)は、アラブ系の衛生検査官アーメッド(スロボダン・アリグリディチ)と出会い、恋に落ちた。やがてふたりは同棲するようになり、当然のようにイザベラは妊娠する。しかし、彼女はアーメッドを裏切り、逆上したアーメッドはイザベラを井戸の中に突き落とすのだった。
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