ヤン・フリッチェ
Atanazy
革命を背景に、知識人たちのエロティックで刹那的な人間関係をアヴァンギャルドに描いた作品。監督はドキュメンタリー出身のマリウシュ・トレリンスキで、これが長編デビュー作。アヴァンギャルド芸術家スタニスワフ・イグナツイ・ヴィトキェヴィッチ(ヴィトカッイ)が1929年に発表した同名小説をもとに、ヴォイチェフ・ノヴァック、ヤヌーシュ・ヴルブレフスキ、監督のトレリンスキが脚色、撮影はヤロスラフ・ジャモイダ、音楽はミハウ・ウルバニアックが担当。
作家アタナジー(ヤン・フリッチェ)はユダヤ人富豪ベルツの娘で妖艶なヘラ(マリア・パクルニス)と、ソフィー(グラジーナ・トレラ)という娘の2人とつきあっていたが、ソフィーとの結婚を決意。だが一方でヘラといる時の方が楽しいと告白する彼は、ヘラの婚約者プレプードレフ公爵(レシェック・アブラハモヴィッチェ)と決闘し、傷つく。革命が近づいていた。アタナジーとソフィー、公爵とヘラは共同で結婚式を挙げ、その夜ベルツ邸で盛大なパーティーが開かれる。アタナジーは友人のロホイスキー(ヤン・ペシェク)と一緒に国外脱出を図る。ロホイスキーの家で2人は裸になり抱き合う。列車にアタナジーは何とか間に合ったが、ロホイスキーは革命軍の銃弾に倒れた。脱出後、雪山の別荘でアタナジー夫妻は公爵夫妻らと暮らしていたが、アタナジーはスキー教師エリック(ヴァルデマール・コフナツキ)と口論になりまた決闘、エリックの首を剣で貫く。ヘラとアタナジーの浮気の現場を目撃したソフィーはピストル自殺を遂げる。共産党大会でアタナジーは、かつて結婚式を行った司祭が今や大臣になっているのに出会う。大臣からスパイを命じられるが、彼は断る。山野を歩くうち、川を渡ろうとして彼はロシア兵に尋問された。プーシキンの詩を朗読し、「自分は失格者」だと自嘲するアタナジーに兵士の銃弾が命中する。秋が終わり、恐怖政治という長い冬が始まろうとしているのだった。
Atanazy
Hela
Zosia
Belijal_Prepudrech
Lohojski
Papa_Bertz
Erik
監督、脚本
脚本
脚本
原作
製作
撮影
音楽
字幕
[c]キネマ旬報社