カルメン・マウラ
Carmela
スペイン内戦期、ファシスト政権下で歌と芝居に生きた歌手カルメーラを描く人間ドラマ。監督は「エル・ドラド」のカルロス・サウラ。サンチス・シニステラの小説を基に「従妹アンヘリカ」のラファエル・アズコーナとサウラが共同で脚色、撮影は「神経衰弱ぎりぎりの女たち」のホセ・ルイス・アルカイネ、音楽も「エル・ドラド」のアレハンドロ・マッソが担当。
1938年、スペイン内戦期。共和派とファシスト勢力の争いの中、旅芸人の一座が、兵士たちと市民の慰問に前線をまわっていた。一座の花カルメーラ(カルメン・マウラ)と、内縁の夫パウリーノ(アンドレス・パハーレス)、そして戦争孤児となった口のきけない青年グスタヴェーテ(ガビーノ・ディエゴ)である。前線の街は空爆に脅かされ、3人はバレンシアへ向かうことにする。途中、フランコ勢力真っただ中の地に迷い込み、3人は捕えられて監獄に入れられる。カルメーラはそこでポーランドの捕虜たちと出会い、親しく言葉を交わす。突然、カルメーラとパウリーノはイタリア人のリパモンテ大尉(マウリツィオ・ディ・ラッツァ)から呼び出され、捕虜と兵士のために舞台を見せることを命じられる。生き延びるために必死のパウリーノは、一も二もなく承諾するが、カルメーラは渡された台本の低劣さ、特に共和国を侮蔑する部分に激怒する。練習の時間も十分にとれないまま、当日の夜がきた。芝居にはポーランドの捕虜たちも見に来ている。芝居に出るのを止そうと言うカルメーラに、パウリーノは芝居のあと正式に結婚しようと言って説得する。いよいよ舞台の幕が上がる。パウリーノの詩の朗読は無事終わった。カルメーラの歌と踊りも喝采を浴びる。最後の出し物でカルメーラは共和国の国旗をまとって役を演じる。その時、共和国を侮蔑する芝居に罵声をあげる捕虜兵士たちと、それを阻止するファシスト兵士たちとで場内騒然となる。彼らを殴るなと叫ぶカルメーラに一発の銃弾が放たれた。パウリーノは、ショックで口が利けるようになったダスタヴェーテとともにカルメーラを寂しく埋葬するのだった。
Carmela
Paulino
Gustavete
Lieuntenant_Ripamonte
Interrogating_Lieutenant
Polish_Officer
監督、脚本
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
字幕
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