エヴァ・ヘニング
Rut
譲歩することができず傷つけあう倦怠期の夫婦が、第二次大戦後のドイツを旅しながら、夫婦の存在意味を確認していく姿を描く。監督は「ファニーとアレクサンデル」のイングマール・ベルイマン、製作はヘルゲ・ハーゲルマン、脚本はヘルヴェット・グレヴェーニウス、原作・原案はビルギット・テーングロート、撮影は「野いちご」のグンナール・フィッシャー、音楽は「処女の泉」のエリク・ノルドグレンが担当。
バレリーナのルート(エヴァ・ヘニング)は、昔、不倫相手ラウルとの間に子供ができ、なじられたあげく不妊症にされ捨てられるという過去を持つ。今は夫である美術史家のバッティル(ビルイェル・マルムステーン)と第二次世界大戦後のドイツを列車で旅行中である。足を怪我し、子供への夢もバレエの夢も断たれていたルートは、そのストレスからバッティルとの口論が絶えない。一方、ストックホルムでは別のドラマが進行する。ルートのバレエ仲間だったヴィオラ(ビルギット・テーングロート)は夫を亡くし、精神科医のローセングレンに弄ばれ、偶然会ったバレエ学校時代のヴァルボルイ(ミミ・ネルソン)に迫られる始末である。学校時代はお互いに助け合ったが、荒んだ生活にヴィオラもヴァルボルイも翻弄されており、ヴィオラは自殺する。列車で旅をするルートのおしゃべりは益々激しくなっていく。途中停車の駅では、戦争で家や親を無くした老若男女が車窓に向かって手を伸ばす。バッティルはルートをビール瓶で殴って殺す夢を見る。そしてそれを打ち明け、夫婦とはなんだろうと根本をルートに正すが解決がつかないまま列車はストックホルムに着こうとしていた。2人は、ただどこまでも人が孤独なのだったら、傷つけあいながらも一緒に居続けることを約束するのだった。
監督
脚本
原案
製作
撮影
音楽
字幕
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