アナトリー・クズネツォフ
Matvei
“さまよえるオランダ人”という名の帆船が漂流してしまったことで、乗り合わせた客や従業員たちが体験するトラブルを描く諷刺劇。監督はこれが長編デビュー作となるヴィクトル・クズネツォフ、製作はアンドレイ・ラズモフスキー、ユーリー・ロマネンコ、脚本はウラジミール・ワルドゥーナス、撮影はヴィクトル・シェイニン、音楽はアレクサンドル・ババーエフが担当。
客船の役目を終え、黒海の港に固定されてレストランとして使われている帆船_さまよえるオランダ人_号。ある金曜の夜、ドアマンに入場を断わられた酔漢が腹を立て繁留ロープを切ったため、レストランは岸を離れ漂流し始める。船内には様々な階層の客がいたが、支配人マトヴェイ(アナトリー・クズネツォフ)は航行練習だとその場をつくろい、みんなを酔わせ、錨を下ろして翌朝の救助を待つことにした。だが次の日、下ろしたはずの錨が飾り物だったため、船は見事に青い海原に漂っていた。ウェイターが本物の錨を下ろそうとして誤って甲板をぶち抜いてしまい、浸水が始まる。さらに闇に流すため船内に隠されていた食料の山も発見され、船内は大騒ぎとなる。マトヴェイは船の主導権を客に委ねることを提案、軍人(セルゲイ・サゾンツェフ)を船長に推すが、規律を強調する彼は他の客に受入れられない。翌日、近くを航行中の客船を発見するも、帆を燃やして狼煙にするかしないかでもめたり、突然踊り子が銀行の集金人の奪ったピストルを発砲するなどしているうち、船は通り過ぎてしまう。ようやく次の日、救助船が現れるが、官僚的で居丈高な船長にみんながうんざりしているうち、何とエンジン・トラブルでその救助船は沈没してしまう。こうして大海原をさまよえるオランダ人はいつまでも漂うことになるのだった。
Matvei
Marsevna
Zakharkin
Morozov
Serafima
Officer
Shura
監督
脚本
製作
製作
撮影
音楽
美術
字幕
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