ジュリー・デルピー
Fryda
第二次大戦下のポーランド・ワルシャワを舞台に、2人の女と1人の男が織りなす愛憎の密室劇。監督はポーランド出身で本作が日本初紹介となるヤヌーシュ・キユフスキ。実話を元にしたイェジー・ヤニツキのラジオドラマ台本を、彼自身と監督の共同で脚色。製作は「僕を愛したふたつの国 ヨーロッパ・ヨーロッパ」のアルトゥール・ブラウナーと、アンリ・ランゲ、撮影はプシェミスワフ・スクヴィルシチンスキ、音楽はヤン・カンティ・パプルスキェヴィッチがそれぞれ担当。主演は「ボイジャー」のジュリー・デルピー、「ミス・アリゾナ」のハンナ・シグラ、「悪霊」のランベール・ウィルソン。
1943年、戦時下のワルシャワ。アレック(ランベール・ウィルソン)は少女フリーダ(ジュリー・デルピー)を連れて、ドイツ軍による虐殺の風が吹き荒れるゲットー(ユダヤ人居住区)を脱出した。アレックは、大虐殺の模様を収めた1枚のネガを外部の仲間に渡す使命を帯びていた。地下水道を抜けてようやくアーリア人種収容所にたどり着き、仲間のアパートを訪ねた2人だったが、友人はナチスに連れ去られた後だった。絶望の縁に立たされたアレックに、そのアパートの住人のステファニア(ハンナ・シグラ)が声をかけた。今や彼女が唯一の頼みの綱であることを敏感に察したアレックは、若くはないが魅力的な彼女とベッドを共にする。翌日、彼は自分の妹のフリーダを一緒に匿ってくれるように頼む。ステファニアは2人を温かく迎えるが、実はアレックとフリーダは夫婦だった。密室と化したアパートで3人の奇妙な共同生活が始まった。アレックは次第にステファニアの母性的な愛情にひかれ、一方、彼女は若い愛人ができたことで女の喜びを覚えていく。そんな2人に激しい嫉妬の念を燃やすフリーダは、徐々に精神を病んでいった。ある日、彼女は部屋を飛び出し、アレックも後を追う。ひとり残されたステファニアの生活は元に戻った。
監督、脚本
脚本、原作
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
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