パイ・ヤン
芝瑛(チー・イン)
日本の中国侵略が急速に拡大され、失業者が溢れた上海。そこで繰り広げられる若者たちの青春を綴った風俗喜劇。一六歳の白楊を一躍スターにしたデビュー作でもある。監督は本作で脚本も手掛けているシェン・シーリン。撮影はチョウ・スーモウとワン・ユイルー。音楽はフー・リュイティン。美術はヤン・チンシン。編集はチェン・シャオチャン。録音はタイ・シュウチョウ。
不景気の真っ只中の上海。老趙(趙丹)は、大学を卒業したものの就職できず、失業中の身であった。彼の友人たちもまた、失業していて、そのうちの一人、小徐(伊明)は自殺を図ろうとする。危ういところを老趙に助けられた小徐は田舎へ帰っていく。老趙は上海に残り、仕事を探した。努力のかいあってようやく新聞社の校正係の職を得るが、おんぼろ下宿の家賃も払えないような貧乏暮らしは続く。そんなある日、下宿の隣部屋に芝瑛(白楊)が引っ越して来る。顔を知らない二人は板一枚の壁越しに毎日ケンカばかり。ところが、老趙は電車の中で芝瑛と知り合い、隣人とは知らずに恋をしてしまうのだった。
[c]キネマ旬報社