ポルフィリ・ポドーベド
ウエスト氏
監督はレフ・クレショフ。彼は一九一七年に映画モンタージュ論の開拓者となった人物でもある。革命後も映画の演出、演技の実験を積み重ね、この長編映画を作り上げた。脚本はニコライ・アセーエフ。撮影はアレクサンドル・レヴィツキー。美術はフセヴォロド・プドフキン。サイレント作品。2013年8月17日より「レフ・クレショフ傑作選」の1作品として、トレノバよりリバイバル上映された。
ウェスト氏(ポルフィリ・ポドーベド)は、カウボーイのジュディ(ボリス・バルネット)をボディガードとして随行させ、モスクワに到着した。革命直後のモスクワには、まだ投機師やギャングが跳梁していた。その一人、自称“伯爵”のジバン(フセヴォロド・プドフキン)は、アメリカの新聞・雑誌が描く“赤魔の国”を演出して、ウェスト氏を脅迫しようとした。ウェスト氏は次々と事件に巻き込まれ、それをジバン一味が救い出すお膳立てだった。しかし、カウボーイのジュディとソヴィエト警察のおかげでウェスト氏はジバン一味の罠を回避する。ウェスト氏は本当のソヴィエトの姿を知る。
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