ミランダ・リチャードソン
Rose_Arbuthnot
一九二〇年代、夫の支配から逃れてイタリアの古城で一か月のバカンスを楽しむ四人の女性たちの姿を描く人間ドラマ。監督はイギリスのテレビ出身で、「ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー」のマイク・ニューウェル。製作はアン・スコット。エグゼクティヴ・プロデューサーはマーク・シーヴァスとサイモン・レルフ。オーストラリア出身の女性作家エリザベス・ヴォン・アーニムの同名小説(扶桑社・刊)をもとに、劇作家で「マーフィの戦い」のピーター・バーンズが脚本を執筆、撮影はレックス・メイドメント。音楽はリチャード・ロドニー・ベンナーが担当。主演は本作でゴールデン・グローブ賞(ミュージカル・コメディー部門)主演女優賞を獲得した「ダメージ」のミランダ・リチャードソン、同賞の助演女優賞を獲得した故サー・ローレンス・オリヴィエ夫人でもある「数に溺れて」のジョーン・プローライト、「パトリオット・ゲーム」のポリー・ウォーカー、イギリス人コメディエンヌのジョシー・ローレンス。なお、映画の中でサン・サルバトーレ城として登場する城は、ブラウン城と呼ばれる元セント・ジョージの要塞で、原作者が実際にこの小説を執筆した場所でもある。
夫との愛も冷め、日常生活を無為に送っているロンドンに住む主婦ロッティ・ウィルキンズ(ジョシー・ローレンス)は、新聞に掲載された小さな広告に心を奪れた。--地中海に臨むイタリアの小さな城を四月いっぱい貸します。家具、使用人付き--。ロッティは顔見知りの主婦ローズ・アーバスノット(ミランダ・リチャードソン)を誘い、貸し料六〇ポンドを分担するためさらに同行者を募り、社交界の花形レディ・キャロライン・デスター(ポリー・ウォーカー)と、気位の高い老婦人ミセス・フィッシャー(ジョーン・プローライト)とともに旅立った。陽光に溢れるサン・サルバトーレ城でそれまでの生活から開放された四人は、それぞれの境遇や考え方を超えて親しくなっていった。ロッティは夫メラーシュ(アルフレッド・モリーナ)を呼び、城の持主ブリッグスがローズに会うためにやって来た。そこに突然ローズの夫フレデリック(ジム・ブロードベント)がレディ・キャロライン目当てに現れた。ブリッグスは、夫の出現に喜ぶローズを見て落胆するが、そんな彼にレディ・キャロラインは好意を憶える。夫との愛を取り戻したロッティは、ミセス・フィッシャーの傲慢さの原因が彼女の孤独にあることに気づいた。彼女とメラーシュのやさしい気づかいで、ミセス・フィッシャーはすっかり元気になり、杖もいらなくなった。こうして四月が終わり、生まれ変わった人々はロンドンへと帰っていった。そしてミセス・フィッシャーが庭に突き差していった夾竹桃の杖は、根を張って花を咲かせるのだった。
Rose_Arbuthnot
Mrs._Fisher
Lady_CarolineDester
Lottie_Wilkins
Mellersh_Wilkins
Frederik_Arbuthnot
監督
脚本
原作
製作
製作総指揮
製作総指揮
撮影
音楽
字幕
[c]キネマ旬報社