カルロス・ロペス・モクテスマ
Nino
南米エクアドルでオールロケを敢行したスウェーデン映画。表面上は天国の両親に会えることを夢見て旅する純粋な少年の姿を描いているが、その実、既成の権威や宗教概念への批判を込めた作品でもある。監督はトニー・アンデルバーグ。彼は七六年にも「コンパ・コンパ」という映画を撮っているので、これが二度目の長編映画ということになる。撮影はトニー・フォルスバーグ。音楽はガンナー・エダンダー。
両親を亡くしたニーニョ(カルロス・ロペス)は孤児院で生活していたが、ある日、捨てられてしまった犬のペリートを追って、旅に出る。ニーニョは、老人グレゴリオ(ジェームズ・コバーン)に出会い、彼の住む廃船に居候するが、空腹のあまりパンを盗もうとして警察に追われる身となる。町を出ていくニーニョに老人は、警察の捜査の及ばないアンデス山脈へ行くことを忠告する。老人の言葉に従って、アンデスの麓まで来たニーニョは“天国への列車”と呼ばれる山岳鉄道を見つける。両親に会いたい一心で列車に無賃乗車するが、車掌に見つかりそうになり、貨物車の連結部分に身を隠す。山の上は気温が低く、身を切るような寒さにニーニョの意識はだんだん遠のいていく。
監督、脚本
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
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